高村勝利（渡哲也）は商社勤務の営業部長。仕事人間だった夫に代わり、妻の伸枝（竹下景子）がずっと家を守り、2人の子どもを育ててきた。息子・清人（徳重　聡）の結婚式を終え、自宅に2人きりになった夜、「長い間ご苦労様」と伸枝に声をかける勝利。しかし伸枝はなんだか納得がいかない。終わったばかりの結婚式を思い返してみてもそうだ。立食パーティーでは大事なお客様そっちのけで、遠く小田原から出てきた老齢の母・岸本つぎ（池内淳子）も隅に追いやったまま。新婚旅行から帰ってきても、息子夫婦はすぐに顔も見せず、挨拶に来たかと思ったらとんぼ返りだ。そもそも息子夫婦と別居することだって伸枝は快くは思っていない。本当は、息子と同居して、孫に囲まれて暮らすのが夢だったのに…。そんなある日、伸枝は息子夫婦が心配で、2人の新居に出かけることに。しかし先に来ていたのは弘子の母・田代美代（音無美紀子）だった。自分を差し置き、かいがいしく世話をやく美代。実家の母に頼りきりで、嫁としての自覚が足りない弘子（石川亜沙美）…。伸枝はやり場のない怒りを感じて勝利に訴えるものの、夫は全く受け止めてくれない。一方、勝利にはずっと気になっていることがあった。それは一年前、会社の大規模な再編計画で、部下を大勢リストラしたことだ。自分の本意ではなく、苦渋の選択だったため、部下の再就職をできる限り手伝ってきた勝利。中でも気がかりなのは、全く連絡のとれない大学時代からの親友・北川雅紀（竹脇無我）の行方。しかし悩んでいても、家庭に仕事は持ち込まないのが勝利の主義。多くを語らないその態度が、伸枝をさらにイライラさせるのだった。そんな折、嫁に行った横井りえ（京野ことみ）が突然家に帰ってくる。姑との同居生活に限界を感じ、家を飛び出してきたという。伸枝はりえを受け入れたいと思うが、勝利は厳しくはねつける。融通が利かず、家を守る者の気持ちを全く解さない勝利に、伸枝は今までの我慢が一気に噴出。「しばらくお暇をいただきます」「君の好きにしたらいい」――。家を飛び出した伸枝は、妹の中尾峯子（賀来千香子）の家に居候暮らしを始める。北海道に単身赴任している夫・宗則（橋爪淳）が帰ってくると、2人は熱い抱擁を交わしている様子。それに加え、毛ガニやウニなど、たくさんの手土産を買ってくる宗則の気遣いを見て、伸枝はうらやましい気持ちでいっぱいだ。しかし宗則には北海道に残してきた愛人・旗野波江（奥貫薫）がいた。一方、母が家を出たことを悟った清人は、弘子と一緒に実家に住むことを決意。しかし当然弘子がうなずくわけもない。求めるものが食い違うそれぞれの夫婦。これから彼らはどうなっていくのだろうか…。【以上、テレビ朝日広報資料に一部役名・出演者名を補足。補足・練馬大根役者】ロケ協力・D･C･S西新橋外堀通り店。協力・東通、アックス、Takashimaya、砧スタジオ、ドリマックス。美術協力・ヨシダ興業、FRUTTI DI BOSCO、BAMBI。