二宮早紀（名取裕子）は港南医大の法医学部助教授で神奈川県警から監察医を委託されている。夫の一馬（宅麻　伸）は、横浜東署の警部。二人の間には愛介（佐野和真）という息子がいる。ある日、集団自殺事件が発生、早紀と一馬は現場である郊外の廃墟となったホテルに急行する。事件が発覚したのは、「インターネットを通して知り合ったメンバーと自殺を図った」という女性の声での110番通報だった。その女性は、怖くなって逃げ出したらしい。現場の空き部屋には男女二人が倒れていて数個の七輪がおかれてあった。女性はまだ息があったため病院に搬送されたが、男はすでに絶命していた。所持品から、女は田村麻里（持田真樹）、男は亀井幸雄（小野寺拓海）という名だと判明、亀井の死体には廃材から飛び出した釘が太腿に突き刺さっていた。検視の結果、亀井は睡眠薬を飲んでいたことがわかる。だが、死因は一酸化炭素中毒ではなく、太腿の傷による失血死だった。一馬たちは、睡眠薬で意識が朦朧とした亀井が廃材の上に倒れ込んだ際に、釘で太腿の動脈を傷つけたものと推察する。しかし、早紀はこの判断に疑問を持つ。太腿に刺さった釘の長さでは動脈まで届かないのだ。誰かが亀井の太腿を動脈まで届く細長い凶器で刺し、傷口に廃材の釘を刺したのではないか？　早紀の下した結論は殺人だった。だが一馬は、なにも自殺しようとしている人間を殺すやつはいないと、早紀の殺人説を一笑に付す。自説にこだわる早紀は、神奈川医大の五十畑崇彦教授（田中　健）に判断を仰ぐが、五十畑教授は、廃材の上に倒れこんだ時体重がかかって釘が深くまで刺さったのではないかと否定的な見解を述べたのだった。その頃、一馬の部下の水村　透刑事（西村和彦）は、麻里から事情聴取を行っていた。麻里によると現場にいたもう一人の女は、サングラスにカツラ姿だったという。麻里の事情聴取はほとんど収穫がなかった。そんな中、どうして死なせてくれなかったのかという麻里の悲痛な叫びが水村の心に響く。【以上、テレビ朝日広報資料に一部役名を補足。補足・練馬大根役者】撮影協力・日本電気計器検定所、横浜市総合保健医療センター、サニークレスト調布管理組合、成田国際空港、山中湖グリーンタウン、KBサポート、千葉県フィルムコミッション。医事指導・相原　弼徳。法医学監修・横浜市立大学医学部名誉教授西丸　與一。協力・マエダオート、オーエイギャザリング。車輌コーディネート・青木　久治（Lubrolene）。美術協力・マスダ、エリットバッグ、DELL（デルコンピュータ）、ABISTE。衣裳協力・fd、TOBELLE、ボタンダウンクラブ、PRESS･GO1、セモア、ラフエル、yoshie inaba、SEVENTY、Timeless、FLAIR‥joc。医療機器協力・島津製作所、skylux山田医療照明、トーホー、リオン。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】