グラスアートのデザイナー若桜　綾（わかさあや・菅野美穂）が、夫の晴樹（仲村トオル）と初めて出会ったのは、彼女が出品していたグラスアート展の会場だった。彼女の作品が誰にも注目されない中、情熱的な目を注いでくれたのが晴樹だった。ピアニストの卵で金がないという晴樹に、綾は自分の作品であるガラスの指輪をプレゼントした。それが二人の交際の始まりだった。綾は、４年前に両親を事故で亡くし、親が残した古びた屋敷に一人で住んでいた。彼女は子供のころから心臓に疾患が有り、医者だった父親の教え子である独身の女医の中園薫（浅野ゆう子）に長年薬を調合してもらっていた。ある日、綾は晴樹を自宅に招待し、この屋敷は両親から受け継いだものであり、維持費がかさむのでいずれは売り払わなければならないだろうと打ち明けた。すると、晴樹は泪を流し、この家が可哀想だという。晴樹も小さい時に父親が自殺、母親が出奔し、楽しい家庭の思い出はないというのだ。自分が力になるから、綾にはこの家を守ってほしいという晴樹の言葉に綾は感動する。やがて、二人は結婚。だが、結婚した後も、綾は心臓に疾患があり、子供を作ることが出来ないという事実を、夫にどうしても打ち明けられないでいた。そんな中、薫が綾のもとを訪ねてくる。二人だけで結婚式を挙げたため、薫と晴樹は初対面のはずであった。ところが、薫は晴樹の姿を見ると顔色を変え、なぜか早々に帰ってしまう。その日、綾のもとに薫から電話が入る。どうしても話しておきたいことがあるという。薫によると、晴樹はかつて薫が勤めていた病院の看護師だったという。薫は綾が来院した際に、晴樹に綾の境遇を話してしまったことがあると告白し、晴樹は綾の土地を目当てに近づいて来たのだから早急に別れるべきだと忠告する。薫の話は綾には信じられなかったが、同時に晴樹の神経質なところなど、薫の話に思い当たる部分もあった。半信半疑の綾はその夜、夫にピアノを弾くように頼む。すると、晴樹は泣きながらピアニストの卵であることは嘘であり、展示会で出会った綾に一目ぼれし近づいたのだと告げる。綾は素直にその告白を受け入れる。しかし数日後、晴樹と待ち合わせをしていた綾は、晴樹と薫が唇を合わせているのを偶然見てしまう。薫に対する綾の不信はつのるばかりだった。翌日、薫が綾の家を再び訪れ、晴樹とかつて恋人関係であったと告白する。だが薫によると、晴樹は歪んだ精神の持ち主で、女医であるというだけの理由で、薫に接近してきたのだという。関係ができると晴樹はしばしば暴力を振るうようになり、そのため薫は勤務先の病院を移り、晴樹から逃げたというのだ。日が経つにつれ、晴樹は全てにおいて独善的に事を進め、綾を支配するようになっていった。薫の言葉を思い出し、いずれは自分も暴力を振るわれるのではないのかと綾は恐怖にとらわれる。心臓疾患のある綾にとって、それは耐えられない状態であった。綾のそんな悩みを聞いた薫は、晴樹が暴れるようなことがあるならばこれを飲ませろと、綾に強力な睡眠薬を渡す。量を誤ると、死に至るという薫の忠告が綾の心に強く響いた。ある夜、綾は口論の果てに晴樹に致死量の睡眠薬を飲ませてしまう。綾の連絡で駆けつけた薫は、晴樹を事故死に見せかける工作をし、近くの公園の池に死体を沈める。ところが、その死体が消えてしまい…。【以上、テレビ朝日広報資料より引用】撮影協力・独立行政法人国立病院機構東京病院、オリエントホテル横濱開洋亭、Book ART 1929、横浜国際プール、OK MARINE PROほか。特別協力・東京国際ガラス学院。協力・フォーチュン、ジェニック、アートマガジン、ソフィーユー、アーバンロケーションサービス、エヌ・ケイ特機、STEP。ガラス指導・石田　ゆり、海藤　　博。医療指導・栗原　英明。美術協力・日本光電、猿江ガラス、JARDINS des FLEURS、JANET & JANET、rev K shopほか。