「バイバイ」。本当に簡単な一言とともに、親友が目の前で自ら落下していった。呆然自失の女子高生・神野綾乃（山田麻衣子）。病死を目前にしてホスピスに入院している恋人の土屋純一（小橋賢児）は、綾乃をなぐさめながらも「誰にでも死ぬ権利はあるんだ」と、静かに語る。その頃、綾乃の父、正（平田満）が師事する東進大学教授・藤代英道（三谷昇）は、学会で、遺伝子組替えによる死の回避方法について、発表を行った。宗教団体などによる抗議行動も沸き起こったが、確固たる信念を持つ藤代は、あらゆる批判をはねのけて、研究を進めることを宣言する。そして、そんな藤代を死体屋の桐ヶ谷（中尾彬）が、影からじっと見つめていた。ある日、綾乃の母、響子（真行寺君枝）が、何者かによって車に跳ねられるという事件が起こる。心停止状態の響子が運び込まれた集中治療室に強引に入り込む藤代。不安を感じ、父に質問を浴びせかける綾乃。苦悩の表情を見せる正。しかし、響子を乗せた車は、何処とも知れず走り去ってしまう。数日後。藤代が何者かに殺害された。研究室には、共食いをする異常な実験用マウスを残したまま…。そして、病院。そこには、一見、以前と何も変わらない響子の姿があった。ただひとつ、次第に爪が黒ずんでいくことを除いては…。【WOWOW広報資料より引用】