元スタントウーマンで、私立探偵の佐倉はるか（桃井かおり）が自宅に戻ると、大きなバッグを抱えた男の子、上田直人がはるかの帰りを待っていた。直人は、はるかの死んだ恋人の忘れ形見だった。はるかは、大阪に住む直人の母親に連絡をするが、しばらく直人を預かって欲しいと言われる。困惑するはるかをよそに、直人ははるかの部屋に居座ることになってしまう。翌日、はるかが指導する空手教室で、生徒の三枝ゆかり（遠藤久美子）が相談を持ちかけてきた。近所のみさとコーポに住む彼女は、夜中になると毎晩のように苦しそうな呻き声と「助けて」という声を聞くという。夜、はるかが行きつけの小料理屋の満月で、常連の安藤和男（蛭子能収）や薬丸ら（ねじめ正一ほか）と飲んでいると、店の奥から、満月のママ・水谷喜美江（金久美子）とその愛人で北村建設工業の会長・北村起一（渡辺文雄）の怒鳴り声が聞こえてきた。起一は酔っ払った足取りで、捨て台詞を吐きながら、店を出て行った。気を取り直してビールをつぐ喜美江に、はるかは、ゆかりから聞いたみさとコーポに出るという幽霊の話をする。その時、先ほど出て行った起一が忘れ物を取りに戻ってきた。はるかの話を聞いていた安藤ら常連客は、何年か前にみさとコーポで若い女性が農薬を飲んで自殺した事件があったという。しかも、その事件があったのは、ゆかりが住む３０２号室で、みさとコーポは起一の会社が所有するマンションだった。起一ははるかに、幽霊事件の噂が広まり、借り手がつかないと困るので、真相を調査してほしいと依頼し帰っていった。そこへ、喜美江の息子・武志（河相我聞）がやってきた。武志は、具合が悪くなり道にうずくまってしまった起一に気がつく。病院に運び込まれた起一は、狭心症の軽い発作と診断され、喜美江、武志と駆けつけた起一の息子・三郎（永島敏行）は安心する。だが、かねてから喜美江を父親の財産狙いと考え、二人の関係を快く思っていない三郎は、喜美江たちを病院から追い返す。一方、みさとコーポの調査を開始したはるかは、管理人の大塚日出男（山崎銀之丞）に事情を聞くが、大塚は自分は管理人の仕事はしていないという。次にゆかりの部屋を訪れると、彼女は昨夜も呻き声を聞いており、しばらくは友人の家の泊めてもらうと荷造りをしていた。その夜、はるかがゆかりの部屋にいると、突然直人が姿を現す。そこへ、急に、女性の呻き声が聞こえてきた。直人は、はるかのテープレコーダーにその声を録音する。すぐに管理人室に駆け込んだ二人は、大塚にテープを聞かせるが、彼はテープを奪い、火をつけて焼いてしまう。大塚とはるかが話をしている間、直人はトイレを借りようと部屋に入り込むが、大塚に見つかりつまみ出される。彼の部屋の中には、オーディオ機器がずらりと並び、点滅していた。朝方、はるかはパトカーのサイレンの音で目を覚ました。慌てて窓から顔を出すと、みさとコーポで飛び降り自殺があったという。野次馬をかき分けマンションに近づくと、死んでいたのは、何と、管理人の大塚であった。地上波では、2001/05/09、TX系、水曜20:54～22:48に放送。撮影協力：三貴園、厚木七沢温泉天湯　玉川館、ルーム大正堂辻堂店、ヤオマサ、菊池工務店、宝飾のアライズ、銚子電鉄、藤沢市フィルムコミッション、横浜市フィルムコミッション。協力・マエダオート。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（データ協力：栄司）】