中央監察医務院の監察医・薮野善次郎（山城新伍）は、今朝も助手の友子（木村明代）のお尻にタッチした。薮野にとっては朝の挨拶のつもりだが、都庁から出向してきた長沢睦子（鷲尾真知子）から恐ろしい目で睨まれていた。薮野のこの日の仕事はマンションの７階から転落死した男の監察だった。男は青年実業家の樋口貴之（川原和久）で、妻の香織（野村真美）とは別居中。愛人の相沢恭子（片岡礼子）とそのマンションで暮らしていた。現場の状況からは自殺とも他殺ともとれたが、死体を解剖した薮野は皮下出血の状態から他殺と判断。しかし同僚の監察医・峯島貴子（床嶋佳子）は、身を守ろうとする「かばい手」の痕跡がない事から、覚悟の上での自殺だと主張する。薮野は貴子の説にも一理あるとしながらも、死体の頭髪に付着していた白い粉が気になっていた。馴染みのバーの順子ママ（芦川よしみ）から樋口の妻が小料理店を営んでいる事を知った薮野。早速店を訪ねると、星刑事（北見敏之）たちが香織を事情聴取している最中だった。星刑事によると、小料理屋の常連客たちは香織に横恋慕しており皆に動機があるという。そういう星刑事も幼馴染の香織に思いを寄せているようだ。捜査が遅々として進まない中、現場に落ちていたライターから星刑事の指紋が採取された。しかしライターを持ち込んだのは別人。誰が星刑事をハメようとしたのか。薮野は死体に付着していた白い粉の分析結果を待った。そんな中、薮野にセクハラ疑惑が浮上。リストラされる前に手柄を立ててやる、と薮野は真相究明に奔走するのだが…。