ニューヨーク、東京を舞台に、経済情報を織り込みながら描く金融サスペンス。FB・アメリカン銀行でトレーダーを勤める芹沢（三浦友和）は、アメリカ人の妻との離婚調停のため、ニューヨークを訪れることになった。折りしも、芹沢の母校とハーバード大学のレガッタのＯＢ戦が開かれる時期で、ひさしぶりに旧友たちと出会うことが芹沢にとって大きな楽しみであった。中でも、親友であった明石（石田純一）との再会は、銀行勤めという同じ職業にありながら、２０年ぶりのことである。一方、明石は康和銀行ニューヨーク支店で副支店長として、またディーリング部門の責任者でもあった。日本人女性として米国証券会社のトップセールスまでのぼりつめた有吉州波（浅野温子）の助言を求めつつ取引を行っているが、それは、康和銀行が80年代の後半から増え続けている多大な損失を取り戻すためであった。アメリカで出会った芹沢、明石、州波の三人は青春を懐かしみ、また、金融という仕事への夢を語る。レガッタOB戦の当日、明石は現れなかった。康和銀行の損失隠しに対して義憤を覚える明石は、東京の頭取にあてて、内部事情を上申する電子メールを送っていた。レガッタレース後、日本に戻った芹沢の元に州波から明石の死を知らせる電話が入った。そして、芹沢の電子メールには、明石からの謎のメッセージ「NUH」が残されていた。明石の死後、康和銀行は、芹沢の勤めるFB・アメリカン銀行と業務提携することを発表。明石の死を不審に思う州波は、東京に仕事場を移す。1999/07撮影。