千代子（高千穂ひづる）が重吉（高橋昌也）と結婚したのは彼の妻の種子が死んで間もなくのことだった。さみしいからいっしょに生活してほしいという重吉の言葉にさからいもせずに同棲し、自然に結ばれてしまった。小説家になろうと勉強していた重吉も種子の死後、才能にみきりをつけて小さな土地会社に就職し、種子の遺産もあって結婚生活は幸福だったが、大恐慌が二人の生活をつぶしてしまった。千代子はカフェーの女給になって重吉を養うことになった。そして千代子には以前派出婦をしているときに知り合った山本という男（木内清治）が現われた。【以上、読売新聞1963/09/02付より引用】【役名（演技者）】中島千代子（高千穂ひづる）、中島重吉（高橋昌也）、鶴子（沢村貞子）、山本（木内清治）。