純白のゲレンデとしゃれた都会を舞台に、ヒロインの片思いの顛末をロマンチックに描く。切ない恋は、果たして成就するのか。若い女性の胸キュンを狙ったラブストーリーだ。商社マンの公介（本木雅弘）は、竜平（杉本哲太）、法子（有森也実）ら大学時代の友人と北海道にスキー旅行にやって来た。途中で、仲間とはぐれたくるみ（深津絵里）という女性を拾い、一緒に宿に到着した。実は、くるみと公介の出会いはこれが最初ではなかった。通勤電車の中で公介に一目ぼれしたくるみは、たまたまそのスキー計画を知ってここまで来たのだ。夢に一歩近づいて、喜ぶくるみ。しかし、当の公介は、学生時代に片思いに終わった法子を忘れられないでいた。テーマ自体に目新しさはないが、現代の若い男女の出会いの場ゲレンデを背景にしたことで、生活臭を薄れさせ、物語をより一層ロマンチックに仕上げている。背伸びをすれば届きそうな、そこそこ豊な情景をバックに、「愛」にあこがれる乙女心をかきたてる。「バブル」崩壊後の新しいトレンディードラマともいえそうだ。深津がキュートな魅力を発散する。アクが抜けて年相応になった本木が新鮮だ。【以上、読売新聞1995/01/11付「試写室」より引用（署名・一）】撮影協力・スフィアタワー天王州、328、北志賀よませスキー場ほか。