秋田県湯沢市にやってきた清（芦屋雁之助）と自分の父を捜す記者・輝子（小林幸子）とのふれあいを描く。「鳥海山の麓を訪れた放浪の天才画家・山下清（芦屋雁之助）は、旅行のガイドブックなどで原稿を書いているという輝子（小林幸子）と知り合い、昼食をご馳走になる。輝子の取材に同行する清は、絵灯ろう館で輝子そっくりの女性の描かれた灯籠に貼る美人画を発見する。その絵を描いたのが五年前に借金を作って蒸発した父親・健一郎ではないかと考えた輝子は、いろいろ探し回るが手がかりはつかめない。清は夜、勝手に寝泊まりさせてもらった牛を育てる農家の主人・田中健三（御木本伸介）の世話になる。健三には妻・友美（赤座美代子）と娘のさやか（飯塚雅弓）がいるが、実は本当の家族ではなく、実は健三こそが輝子の父親・健一郎だった。事情を知っている佐藤商事の社長・佐藤（大石吾朗）は、黙っていればそのうち輝子は諦めて帰るだろうと言うのだが…。その話を立ち聞きしてしまった清は、湯沢市の絵灯籠まつりを取材する輝子に父親を探すのをやめてほしいと頼む。その理由が現在の妻と娘が悲しむからだと聞かされた輝子だったが、結果、小安峡で父親とその家族と会うことになる。健一郎を目の前にして、借金取りに追われた日々の恨みを吐露する輝子。縁を切ると言われた健一郎だったが、この先もいつまでも輝子のことを娘だと思っていると言われ、また清にも諭された輝子は、去って行く健一郎の後を追うのだった…。そこへ清の絵が描かれた漆塗りのお盆を持って佐藤がやって来る。輝子や健一郎たちが清が放浪の天才画家・山下清だと気付いた頃には、すでに清は放浪の旅に出かけた後だった。【この項、文：市村】」ロケーション協力：湯沢市、湯沢市観光協会、稲庭古来うどん、寛文五年堂、川連漆器・佐藤商事、佐藤伊右衛門商店、御仏壇のまるほん、秋田三梨牛組合。衣裳協力：ウールン商会。【演技者…役名】「●芦屋雁之助…山下清（放浪の天才画家）、●小林幸子…田島輝子（株式会社日本之旅出版のライター）、●赤座美代子…友美（田中健三の妻）、●御木本伸介…田中健三（牛を育てる農家の男性。実は田島輝子の父・健一郎で五年前まで東京で会社を経営していた）、●飯塚雅弓…さやか（田中健三の娘）、●大石吾朗…佐藤誠治（漆器を扱う佐藤商事の社長）、●村田正雄…寛文五年堂の主人？、●小田草之介…漆器の絵師（佐藤商事の漆器製造工場の男性）？、●真実一路…伊藤つけもの本舗の主人（以前、田中健三が勤めていた店の男性）、●廣瀬昌亮…絵灯ろう館で美人画を描いている男性、●江口由起…明子（山下清と輝子が稲庭うどんを食べる寛文五年堂の娘）、●名本忍…稲庭うどんの工場の女性。【この項、文：市村】」【データ協力：市村】