暗い過去をひきずりながらも、なお夢を追い求める人々を、女マッサージ師とプロ野球選手の愛を中心に描く。球子（大原麗子）は花を行商中に栄養失調で倒れた。偶然通りかかった園子（水島裕子）の勤め先であるマッサージ屋に運びこまれ、そのままマッサージ師として働きはじめる。女主人の泉（淡路恵子）をはじめ、従業員はいわくありげな女ばかり。自分の素性をまったく明かさない球子にも親切に接してくれた。が、いつかは家に戻りたい球子は、夫・信人（橋爪功）に「家を売らないでください」と書いた手紙を送りつづけた。ある日、プロ野球チームの二軍宿舎によばれた球子は11年、二軍にいる投手の幸治（西城秀樹）と知り合い、つい同情から出世払いで毎日もんでやると約束。そして、しだいに幸治にひかれていく。そんな折、球子は仲間とピクニックに行き、顔見知りの男に見つかってしまう。仕方なく、銀座でバーを開いていた過去をみんなに話した。が、不治の病だった息子を安楽死させた過去は話せなかった。そのころ、幸治が一軍へ上がる日を夢見る球子を、信人が必死で捜し歩いていた。【以上、「ザ・テレビジョン」（角川書店刊）1988/10/14号より引用】