肉親の愛を求め苦悩する中で、家族の崩壊と年上の女性への失恋を経験した青年の、人生への新たな旅立ちをさわやかに描く青春ドラマ。西城秀樹が本格ドラマ初出演。惣吉（宇野重吉）の経営するレストランが倒産。惣吉は息子の一郎（緒形拳）、透（西城秀樹）たちと縁者がいる漁港の神津へたどり着く。そこで冷たくされた父子は、食堂兼旅館に転がり込んだ。女主人のはな（加藤治子）、従業員・小春（松尾嘉代）との生活がはじまった。青森・八戸ロケを敢行。「西城秀樹を主役に、劇作家清水邦夫が書き下ろした２時間ドラマ。父親と息子、兄と弟の数日間のさすらいの中で一人の青年が年上の女との恋には破れるが、どこかぎこちなかった父親の愛情を確認し、やさしい微笑みをもって新しい人生へ旅立つまでが描かれる。孤独な青年の魂が鮮烈に浮かび上がってくるさわやかな作品だ。透（西城）は兄・一郎（緒形拳）、父・惣吉（宇野重吉）と旅に出た。一郎の経営していたレストランが破産し、一家が債権者に追われるようになったからだ。東北の遠洋漁業の町で三人は食堂で働く女・小春（松尾嘉代）と知り合う。透は小春をまぶしく意識し、小春も透の視線を心地よさそうに受け入れて三人の面倒をみていた。惣吉が心臓発作で倒れ、有料老人ホームに入りたいといいだした時、万事調子がいい一郎は弟の分までマグロ船乗り組みの前借をしてくる。その金を持って一郎と小春は姿を消し、透に抱かれながら惣吉も死んだ。一人になった透は一年八ヵ月ものマグロ漁へ出ていく。【この項、毎日新聞1981/04/30付「視聴室」より引用（署名：佐）】」協力：東亜国内航空、レノマ・ムッシュ、八戸・柏木旅館、三八五バス。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】