加山雄三が下町の運送店の主人として活躍する人情ホーム・ドラマ。鉄人（加山）は、亡妻の七回忌の当日、急な仕事が入り朝から出たまま。鉄人の母、加奈子（奈良岡朋子）と息子、健（坂上忍）、それに亡妻の妹、咲子（丘みつ子）が待っていた。咲子は夫が女をつくって家出したため、鉄人の店で働いている。鉄人の親友で大地主の息子（鈴木ヒロミツ）らもかけつけ、法要が始まろうとしているのに、肝心の鉄人が帰ってこない。そのころ彼は荷物を運んだ先で話し込んでいた。実はここも法事で、和尚さんと老婆の二人しかしなかったため、人のいい鉄人は帰りそびれていたのだ。ドラマは鉄人とその家族、近所の人達との交流を通し、人間賛歌をうたいあげようという狙い。加山がデカパン姿で登場したり、初共演の奈良岡とポンポンいい合って、これまでにない演技でイメチェンを図っている。タイトルの〝せーの！〟は加山らが、何か一件落着すると、〝せーの〟と乾杯する時のかけ声だという。【以上、毎日新聞1982/11/12付「視聴室」より引用（署名：Ｎ）】