中学の先輩を東京郊外に訪ねた金田一は、被害者が先輩の愛人には違いないが、まったく別の「名前」の女性であることを知る。事件の陰にはひとりの男を想う悲しいまでの女の性が隠されていた。タイトルが「…殺人事件」でなく「…事件」であることがミソで２回という長さも適切な佳編。「1947年晩秋の物語。金田一耕助は事務所を追い出されて行くところがなく、風間俊六の居候になる。【この項、文：市村靖介】」【演技者…役名（解説）】「●太地喜和子…お繁（糸島繁。29歳。バー“黒猫亭”のマダム。風間俊六の愛人）＆桑野鮎子（ニッカダンスホールのダンサー。上海からの引き揚げ者。実はお繁と同一人物）〔二役〕、●古谷一行…金田一耕助（私立探偵）、●長門勇…日和（警視庁捜査一課の警部）、●近藤洋介…風間俊六（金田一耕助の中学校の先輩。大森にある建設業の風間組の社長）、●池田秀一…日兆（バー“黒猫亭”の隣にある寺・蓮華院の住職。死体の第一発見者）、●田口計…糸島大伍（お繁の夫。42歳。元は大陸浪人。バー“黒猫亭”のバーテンダー）、●多賀勝…長谷川（城西警察署の警官）、●ひろみどり…おせつ（料亭“松月”の女将。風間俊六の愛人の一人）、●井上聡子…お君（バー“黒猫亭”の女中）、●田中弘史…村井（城西警察署の刑事）、●山本弘…〔タカギ〕（城西警察署の刑事）、●浜田雅史…早坂（桑野鮎子が働いていたニッカダンスホールの支配人）、●野崎善彦…浜本（風間組の従業員。引き揚げ船で糸島大伍と一緒だったという男性）？、●山口朱美…加代子（バー“黒猫亭”の女給）、●八重垣百合…富田美子（桑野鮎子を知るダンサー）？、●和田かつら…風間組の事務員？、●…、●西田良…赤線街“玉の井”にある女郎屋の男、●小柳圭子…赤線街“玉の井”にある女郎屋の女将、●北見唯一…“大源”（バー“黒猫亭”の改装を請け負っている大工の棟梁）、●藤川準…屋台のすいとん屋の主人、●沖ときお…新聞社の社員（金田一耕助がお繁の写真の載った記事を見せてもらう男性）、●幸村三千代…お千代（小野千代子。赤線街“玉の井”にある女郎屋の女。実はお繁の身代わりに死体にされた女性）。【この項、文：市村靖介】」【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（データ協力：市村靖介）】