宝くじにあたった夫婦に巻き起こる悲喜劇を描く。「ある日、中学教師の勤務を終えた勝彦(浜田光夫)が帰宅すると、妻の好恵(生田悦子)が異常に興奮していた。勝彦が同僚の大庭(早川保)にもらっておいた宝くじが、1000万円に当選したのだ。「大庭が当たりくじに気づかなければよいが」と勝彦はそればかりを願った。【以上、「週刊TVガイド」(東京ニュース通信社刊)1976/02/13号より引用】」「部屋中に賞金の金を並べる場面や、クライマックス、騒動に辟易した夫婦がお金を捨てる場面が印象に残る。【この項、文:古崎康成】」「もしも一千万円当たったら――宝クジブームに乗ったわけでもあるまいが、これはその幸運をつかんだ者と逃した者の悲喜劇。週刊誌の見出しでいえば、さしずめ「一千万円当選者、その後の愛憎」といったところ。結婚六年目。けだるい幸福感にひたっていた中学教師の夫婦(浜田光夫、生田悦子)に宝クジが当たった。素直には喜べない。それもそのはず、クジは夫が同僚の数学教師(早川保)から飲み代の不足分におしつけられたものだった。「金は魔物」、日頃、宝クジを買う妻にも顔をしかめていた夫は、今や金の亡者。二人は当選をひた隠す。数学教師は、夫婦の気配をうかがい、互いにさぐり合う。不況時に金の話と、わざとらしさが気にならないではないが、大金と中学教師という組み合わせが面白い。脚本(馬場当)演出(野崎貞夫)はコメディー・タッチを強調。大金に振りまわされる人間模様を小気味よく描き出した。セックス場面も昼メロには珍しく艶笑風。だが、そう高給取りでない主人公夫婦が立派すぎる家に住んだり、しかもその家に風呂がなかったりというちぐはぐは気になる。とまれ、深刻になりがちなテーマを明るく仕上げている。【この項、「試写室プレビュー」(「週刊TVガイド」(東京ニュース通信社刊)1976/02/13号)より引用】」【参考資料:書籍「円谷 THE COMPLETE 円谷プロ/円谷映像 作品集成」(2001/10/30、ニュータイプ編集部編集、角川書店刊)、書籍「日本タレント名鑑'81」(1980/12/30、VIPタイムズ社発行)[池田広法・丘みさおの項]】