火野葦平の原作で、三回にわたって放送する。また美空ひばりと林与一がテレビで初めて共演する。木場の材木問屋・相模屋のひとり娘・お新（美空ひばり）は男まさりの気性だが、その器量も、木場小町といわれるほどだった。一方、当主の彦兵衛（伊井友三郎）は、倒産し夫婦が自殺した佐渡屋のむすこ・常吉（林与一）を二年前から引きとり、小がしらとして自分の片腕としていた。やがて病に倒れ、店を常吉にまかせた形となった彦兵衛は、お新と常吉を夫婦にしようと考えていた。この相模屋にことごとに対抗しケンカを吹きかけ、札入れ業を奪おうとしている松浦屋権次（吉田義夫）の一家があった。松浦屋は、さらにいやがらせの手をのばし、常吉が留守の間に、ついに大乱闘をくりひろげることになった。この時は勘定方出役・秋月新之丞（花柳喜章）が仲にはいり、事はおさまったが、その時、お新は父・彦兵衛が息を引きとったことを知らされるのだった。【以上、読売新聞1964/11/10付より引用】