東海テレビ制作の昼ドラの記念すべき第１作。華やかな茶道の世界を背景に、ひとりの女をめぐって人間の表裏を描いた作品。「キャスティングが大変だった。ヒロインは東宝の売れっ子スターだった水野久美さん。映画会社に属する俳優は他社作品に出ない「五社協定」が壁になった。他社の映画にも出ないのに、テレビに出る雰囲気ではなかった。東宝へ行って何度もお願いし、最終決定権を持つ撮影所長を雨降る寒い中２時間待って、なんとかOKを取り付けた。脚本は当時、女性ナンバーワンだった田井洋子さん。家に押しかけ「おれを男にして下さい」と土下座した。彼女は29歳の私を「東海の若武者」と呼んで、気持ちよく引き受けてくれた。【この項、出原弘之・著、日本経済新聞2001/05/08付第40面文化欄より引用】」【参考文献：「テレビドラマ」（雑誌、現代芸術協会刊）1962年３月号、「東海テレビ放送開局50年史」（2009/10、東海テレビ放送編集・発行）】