第６回日本放送作家協会賞大衆芸能賞受賞作品。下町を舞台に繰り広げられた、公開形式のコメディ・ホームドラマ。NHKホールで収録。「八ちゃん、お玉ちゃん、ウーッ！」が決まり台詞だった。化粧品屋の女店員・お玉ちゃんを演じた楠トシエが人気者に。1955/11/12からラジオ放送で先行スタートし、テレビでも同時に放送されるようになり、ラジオと通算すると放送回数は計506回になり、実際に番組内の回数表示はラジオからの通算だった（したがって当データベースの回数表示もラジオ時代からの通算表示としている）。電通が1960/01/23から１週間にわたり実施したテレビ聴視率調査の結果では、43.0％、第４位を記録した。1960/05/21から実施された電通主催の「テレビ聴視率調査」（東京地区）で、27.7％、第16位を記録。演出の久米昭と出演者の音羽美子は実生活で夫婦。音羽美子は当初、よし子ちゃん役だったがのちに三遊亭小金馬扮する竜助の妹・かおるを演じた。「若水ヤエ子はこの番組でたいへんバカをみた。〝三人組〟での失敗について彼女は語る。「ゲスト出演したとき、ちょうどカゼをひいて声が出なかったので、セリフをいえないかわりにと、一生懸命に安来節のドジョウすくいを踊ったの。そしたら腰巻きが見えちゃったらしくて、〝あれはいかん〟で、以来六、七年ほされちゃった。二、三年は自分でもそれを知らなかった。そしたらある人に〝ヤエちゃん最近NHKに出ないね。なぜだか知ってるか〟っていわれたの。気づいてみたら、なるほど〝ゼスチャー〟にも出ないし〝紅白歌合戦〟の応援も頼まれないから、〝そういえばフシギね〟っていったら〝実はこうだって教えられたの。ヒドイ話じゃない。こっちは一生懸命〟にやったのに。あれはまずかったと一言注意してくれれば気をつけたものを、黙ってほすなんて。もういまは解除になりましたけどだいぶ出ていないから、ギャラは依然むかしのまま。いま一本六千円くらいよ、きっと」。【この項、読売新聞1970/01/22付掲載「テレビと共に タレント繁盛記」より引用】」」東京ニュース通信社刊「テレビドラマ全史」では、1956/11/20放送開始、放送回数全508回と記録されている。1959/12/29の放送枠は、火曜20:00～20:30で1959/03/31までこの枠だった模様。1960/05/03、1960/06/07、1960/06/21、1960/08/30、1960/09/13の放送枠は、火曜21:00～21:30。1959/05/05の放送枠は火曜21:30～22:00。1959/07/21、1959/07/28、1960/07/26は別番組放送のため番組休止。1960/09/13より東京などでカラー放送。【サブタイトル】最終回（第506回）「きょうは引っ越しの巻」。【役名（演技者）】八太郎（江戸家猫八）、正二（一竜斎貞鳳）、竜助（三遊亭小金馬）、珠枝（楠トシエ）、真知子（桜京美）、かおる（音羽美子）、ふで（武智豊子）、優作（市村俊幸）、慶子（水科慶子）、頑太（矢野目がん）。【参考文献：「キネマ旬報臨時増刊 テレビ大鑑」（1958/06/20発行、キネマ旬報社刊）、小林由紀子著「ドラマを愛した女のドラマ」（1995/11/06、草思社刊）、井上宏編「放送演芸史」（1985/04/20、世界思想社刊）、「東京五局放送　テレビ・ドラマの記録」（「季刊テレビ研究１」（1959/07/25発行、編集人：森谷巌、みすゞ書房刊）掲載）、読売新聞1970/01/22付掲載「テレビと共に タレント繁盛記」】