兄の経営するタクシー会社に就職した男が、運転手として遭遇する珍事件コメディー。長谷川哲夫のデビュー作。第20回（1963/08/15放送）は「将軍とロックンロール」と題して嵐寛寿郎が主役を演じて話題となった。「（嵐寛寿郎は）かつての東条英機役を土台として、それを抜いたような立派な演技であった。もと海軍少将の威厳と悲哀を静けく淡々と演じ、先端的な息子（長谷川明男）らとの確執のなかに巧みに現代社会の歪みを表出した山田達雄監督の才気をかう。千鳥ヶ淵の戦士たちの墓に詣で手を合せ沈思黙想する嵐寛の憤りと悲しみを抑えた陰影のあるたたずまいは、こうしたものの劇場用映画が充分に製作出来る可能性を含んでいると思えた。【この項、「嵐寛寿郎と100人のスター・女優篇」（1997年、荷村寛夫・著、ワイズ出版刊）より引用】」フィルムで収録、放送された。