戦時中の大阪で小さな町工場を興した経営者が情熱をもって行動し、世界に誇る化学的な功績を残した物語。BSフジではスペシャルカット版で放送。1986年に経済小説の第一人者・高杉良が発表し「ビジネスマン必読のロングセラー」ともいわれる、伝説の経営者を描いた小説“炎の経営者"。この小説は、戦時中の大阪で小さな町工場を興した経営者が、“当たって砕けろ“の精神で情熱をもって行動し、日本が世界に誇る化学的な功績を残し“世界を変えた"という実話をもとにしている。 この小説を原作に作られたドラマをスペシャルカット版でお届け。1944年。大阪の「オキタ合成化学工業」の社長・谷田部泰三（伊原剛志）は、工場内で研究や改良に明け暮れていた。谷田部の会社は、車や飛行機の塗料やビニールを作る為に必要な「無水フタル酸」や化学反応を起こし始めた物質の反応速度を早める「触媒」の研究・製造をおこなっている小さな企業。 太平洋戦争の最中、思うように研究が進まなかったが“新しい触媒の研究を行いたい"という熱意に溢れた工場次長の浜野喜久麿（中村靖日）らとともにまい進していた。しかし、工場長・寺内良和（石丸謙二郎）が不在時、工場火災が発生し、浜野は命を落とす。谷田部や社員たちは亡き浜野の思いを胸に再建の道を探る。1945年、太平洋戦争が終結し、日本に対し、GHQは、戦時中軍需工業に携わった企業に生産制限をおこない、ますます苦難の道へ。運転資金がまわらなくなった会社を救うため、谷田部は妻のさと子（戸田菜穂）に自宅を抵当に入れ借金したいと申し出る。さと子の了解を得て金策したものの、なかなか計画は進まなかった。しかし怯むことなく、社名を「日触化学工業」に変更、販売路線拡大の為に東京に営業所を出す。 東京を任された山村基弘（渡辺大）や旧満鉄の中央試験所所長・都築正（大石吾朗）から紹介された、生意気で反骨心のある優秀な技術者、神崎三郎（内田滋）と佐久間滋（六角慎司）などが加わり、世界を驚かす研究を夢見る。1950年。谷田部は、大手企業・大和製鉄に融資を申し出るべく、旧友の棋士・真田幸造（山口智充）に相談。社長・永田重男（柴俊夫）が乗っている列車に乗り込み、融資の直談判を行う…。【以上、BSフジ広報資料より引用】2017/03/19に地上波、フジテレビで放映されたドラマ『炎の経営者』でカットされたシーンを追加、編集して改めてオンエアしたもの。地上波版とこのスペシャルカット版とクレジット表記を比べるとキャストが二名（アナトリ・K、木下有）追加され、地上波版でラインプロデューサーだった山口仁志がこちらではプロデューサーに併記されている。原作は日本触媒化学工業（放送時点の社名は日本触媒）創業者の故・八谷（やたがい）泰造氏の実話を元にした作品。撮影協力：常総フィルムコミッション、わたらせフィルムコミッション、大井川鐵道（大井川鉄道）、富士の国　やまなしフィルム・コミッション、いばらきフィルムコミッション、朝倉染布、フィルムサポート島田、後藤織物。映像提供：フジテレビ、記録映画保存センター。写真提供：アフロ。