第６回市川森一脚本賞受賞（脚本：金子茂樹）対象作品。「これまで圧倒的に女運の無い恋愛ばかりしてきた男:正木誠(亀梨和也)。彼はこの春、東京の営業所へと異動してくることに。そんな誠が家に着くと、突然謎の男(山下智久)が現れる。自分を神と名乗るその男。驚く誠に一人の女性:湖月晴子(木村文乃)の写真を見せ、彼女が誠の「運命の女性」だと告げる。晴子は誠にとって見ず知らずの女性……。しかし二人は過去に何度も奇跡のようなすれ違いをしていたことが明らかになりーー。【この項、日本テレビ広報資料より引用】」「『ボク、運命の人です。』（日テレ）は、現実の社会問題などからは距離を置いたスタンスで、時代を超えても通じる普遍的な恋愛心理の面白さを堪能させてくれた。とりわけ面白かったのは、一体どうして？といいたくなるほど思い込みの激しい主人公の強引な行動で、ぐいぐいと観る側を引き付けて、終盤一歩手前まで少し呆気にとられるぐらいの面持ちでかたずをのんでドラマ画面をかぶりつきで見守る感覚だった。それが終盤に至るや、トーンが一転、じっくり結婚に向けて二人の気持ちが一つに高まっていくさまを描き、結婚する当事者が感じるであろう気持ちの変遷が見る側にまで生々しく伝わってきた。金子茂樹脚本は『プロポーズ大作戦』（’07）から、綾瀬はるか主演『きょうは会社休みます。』（’14）、昨年の大野智×波瑠主演『世界一難しい恋』を経て本作に到達した。上質のコメディ作りの旗手と位置づけられる存在になりつつある。【この項、文：古崎康成（雑誌「月刊「ドラマ」2017年８月号掲載より引用）】」第１回は拡大版（土曜22:00～23:08）。【役名（演技者）】円谷憲子（山口知紗）。