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ドラマ 詳細データおはなしのくに「祭りの晩」

山の神の秋の祭りの晩でした。亮二はあたらしい水色の帯をしめて、それに十五銭もらって、お祭りにでかけました。むこうの神楽殿には、ぼんやり五つばかりのちょうちんがついて、これからおかぐらがはじまるところらしく、かねだけしずかに鳴っておりました。亮二はしばらくぼんやりそこに立っていました。むこうの方で、なにか大きな声がして、みんながそっちへ走っていきました。亮二も急いでかけていって、みんなの横からのぞきこみました。すると大きな男が、髪をもじゃもじゃして、しきりに村の若い者にいじめられているのでした。ひたいからあせをながしてなんべんも頭を下げていました。村の若者が、みんなが見ているので、いよいよいきおいよくどなっていました。「貴様みたいな、よそから来たものにばかにされてたまっか。早くぜにをはらえ、ぜにを。ないのか、このやろう。ないなら、なしてもの食った。こら」。男はひどくあわてていいました。「薪、百把もって来てやるがら…。薪をあとで百把もって来てやっから、ゆるしてくれろ」。「うそをつけ、このやろう。どこの国に、だんご二くしに薪百把はらうやづがあっか。全体きさんどこのやつだ」。「そ、そいつはとてもいわれない。ゆるしてくれろ」。男は黄金色の眼をぱちぱちさせて、あせをふきふきいいました。いっしょになみだもふいたようでした。亮二はすっかりわかりました。「ははあ、あんまりはらがすいて、もうぜにのないのもわすれて、だんごを食ってしまったのだな。ないている。わるい人でない。かえって正直な人なんだ。よし、ぼくが助けてやろう」。亮二は、ただ一まいのこった白銅を出して、それをかたくにぎって、みんなをおしわけて、その男のそばまで行きました。亮二は、その男のぞうりをはいた大きな足の上に、だまって白銅をおきました。【以上、NHK広報資料より引用】
キー局 NHK ETV 放送曜日 放送期間 2013/09/30~2013/09/30
放送時間 09:00-09:10 放送回数 1 回 連続/単発 単発
主な出演 松田 洋治
原作 (作:宮沢 賢治「助けた山男がくれたプレゼントとは?」)
局系列 NHK

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