「テレビドラマデータベース」ユーザー選出ベスト５、2011年１月期１位。一度嗅いだ臭いは絶対に忘れない。警察犬ばりの臭覚で、犯人を追跡する天然ボケ新人女刑事。お荷物がられ、怒られながら、いつもフリフリの服を着て･･･しかし、彼女の体当たりの捜査は次々の事件を解決へ導く。やがて、彼女の行動は警察捜査一課第八強行犯捜査13係をも変えていく。凶悪犯の心さえ変えていく。彼女の名は、花森一子（通称・ワンコ）。警察犬ミハイル号にライバル心を燃やしながら今日も懸命に鼻をひくひくさせ、究極の臭覚で事件を追う。【以上、番組広報資料より引用】「所属事務所は何を考えているんだろう。仕事の中身、もう少し吟味しなくちゃ。多部未華子の新ドラマ「デカワンコ」の番宣や記者会見をみて、溜息がもれた。警察犬並みの嗅覚をもつ警視庁の新人刑事が、フリフリの服を着て難事件を次つぎ解決。この紹介だけでＤ級感が伝わる。匂いで犯人を嗅ぎわけるのはいいとして、なぜロリ系コスプレにする必要があるのか。安易だよなぁ。ハナッから期待もせずに見た「デカワンコ」だが、始まってびっくり。テンポがいいし、ヒロインの刑事、花森一子の弾けっぷりが楽しい。やっぱりすごいや、多部未華子は。設定や展開にユルさも感じるが、跳んだり笑ったり、一人でグイッグイ引っぱってラストに着地させた。殺人が起きて、しかも犯人は一子の部署の先輩というのに、事件解決後の後味も決して悪くない。さすが多部ちゃん、お手柄、お手柄。これが第一印象だ。翌日もう一度、見た。共演者の数は多い。捜査一課13係の仲間は、新人の「キリ」こと桐島竜太（手越祐也）から、主任で容疑者を自白させる「落としの重さん」重村完一（沢村一樹）まで七人。おお「七人の刑事」じゃないか。おまけに、ここぞというシーンではＢＧＭに「太陽にほえろ！」のメロディーが流れる。元相撲部の和田（石塚英彦）は「チャンコ」だ。こんなネーミングとか、もしかして「太陽にほえろ！」へのオマージュかパロディか。第一話で佐野史郎が演じる警部補は、暴力団に内部情報を流していたことを追及され凶行に及んだ。残り六人の刑事も殉職ないし転勤などで姿を消すこともあるのか。他にも吹越満や大倉孝二がいい味を出している。だが一時間で、こうも役者がいては、個性を印象づけるのは難しく、今後の課題だろう。そんななか、ふっと力を抜いても存在感の伝わるのが、警視総監役の伊東四朗だ。一子に「服、それで、ずっといくの？」。「ハイ！」の即答が返ると「あ、そう。がんばってね」。この軽味がいい。名脇役といえば、ミハイルも。鑑識きっての嗅覚を持つ名犬だ。ミハイル・フォン・アルト・オッペンバウアー・ゾーン号。略してミハイル。今季やたらと多い心理査官より聡明である。警察犬と一緒に被害者の靴をくんくんと嗅ぎ当てる、多部未華子の考え抜いた体当たり演技で、寒い夜、ほっとしたいものだ。【この項、文：亀和田武氏（「週刊文春」2011/02/03号掲載「テレビ健康診断　連載317」より引用）】」第１回は拡大版（土曜21:00～22:09）。2011/03/11に発生した東北地方太平洋沖地震およびその津波災害にともなう報道番組のため、第９回（2011/03/12放送予定）が中止となり、１週遅れとなった。車輌：コンガス。ロケ協力：台東区フィルムコミッション(1)(9)、東京臨海高速鉄道(1)、垣見油化(1)、新宿マルイ　ワン(1)、武蔵野設計工業(1)、宇徳(1)、ポプラ三崎町１丁目店(1)、ちゃんこ両国新宿御苑(1)、綿半グループ(1)、メイドカフェぴなふぉあ(1)、パーク24(9)、相模メモリアルパーク(9)、権八　桜新町店(9)、ます家　芝大門店(9)、芝商店会のみなさま(9)。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（データ協力：LED）】【データ協力：やす】【参考資料：webサイト「タカモトプロ」内の「逢沢脩生」プロフィール（2021/12/26参照、http://takamotopro.net/wp/wp-content/uploads/2017/01/aizawa.pdf）】