将軍家拝領の犬・菊丸は盗賊騒動のさわぎで行方不明となる。お犬さま係として浪人から抜擢された梶原は家老から三日のうちにさがし出せと厳命される【以上、文：のよりん】飯島敏宏氏がお気に入りの時代劇映画である「お馬は七十七万石」（内田吐夢監督）をパロディー化してドラマ化したという。「スタジオで馬を使うわけにいかないから、犬を使って生類憐れみの令をもじったりして。石井さん（プロデューサー）なんかも「あの時が、一番ヒヤヒヤした」って言うのは、子犬を用意して、お犬様だよね、で美術のやつに、今でも忘れない矢部ってドジなやつがいたんだけど（笑）、「犬、大丈夫だな」って言うと「大丈夫です」「白くて可愛い犬です」。で、本番前に見るとスピッツなんだこれが。（笑）そんな犬、当時いるわけない。プロデューサーの石井さんが真っ青になって、「飯島ちゃんどうすんの」。どうすんのって言われてもオンエアー直前、「よし分かった」って言って美術を呼んで墨で染めちゃった。で、犬がいやだから嘗めるんだ。で、墨がとれちゃって。【この項、飯島敏宏・著「バルタンの星のもとに」（風塵社刊）より引用】」【データ協力：のよりん】【参考文献：石井ふく子著「お蔭さまで」（1993/06/20、世界文化社刊）】