ある日、老舗旅館「畑中」の客として、旅雑誌の出版社をしている松本高子（野村真美）がやってきた。学生時代京都にいたという話を聞き、女将・雪乃（池上季実子）は畑中で催されている「京菓子フェア」へ案内した。そのとき雪乃を訪ねてきた光太郎（宅麻伸）と、高子は偶然の再会を果たす。光太郎とは大学時代の同級生で、実は付き合っていたのだと雪乃に告げる。京菓子フェアは、京都の名店がこぞって出展・実演販売するイベントで、舞妓や芸子が総出で客に京菓子を運ぶとても華やかなもの。畑中で出している菓子を作る小野寺（寺島進）も出店していた。５年前、すべてを捨て京都を出ようとした時、小野寺が和菓子を差し出したことで思いとどまったという、雪乃にとって彼は恩人でもあった。そこへ、千次（小野武彦）が畑中の評判を聞き唐津からやってきたという陶芸家・香月（春田純一）を案内して来た。さっそく雪乃は小野寺の菓子を薦めてみたが、口に合わないと言われ気まずい雰囲気に…。その夜、八坂神社で香月が殺された。発見したのは、小菊（前田愛）の同期舞妓の梅駒（岡田薫）だった。そして、死体の傍には折り鶴がばらまかれていた。実は、香月のファンである梅駒が、京都の花街を案内しようと9時に会う約束をしていたというのだ。梅駒を信じる雪乃は、光太郎と香月のことを調べ始めた。翌日、小野寺が新作の菓子を試食して欲しいと畑中にやってきた。四国の香川出身だという小野寺が、「くちべたにあんこが…」と言ったことで、千次は「くちべた」は九州の佐賀の方言だといい、疑問に思った光太郎がインターネットで調べたら、やはり佐賀弁だった。殺された香月が佐賀の出身だったこと、京菓子フェアで小野寺が出した菓子が鶴の新作、そして、死体の傍にばら撒かれていた折鶴。そんなことから、この二人が何か関係あるのではと、香月の出身校に問い合わせてみると、やはり二人は同級生だった。なぜ嘘をついたのか雪乃たちが問いただすと、小野寺は、自分が香月を殺したと告白した。だが、その夜、その小野寺も何者かに殺された。傍には、またもや折り鶴がばら撒かれていた。誰が犯人なのか…雪乃・光太郎が真犯人を探すため佐賀へ飛んだ。【TBS広報資料より引用】