日本テレビ シナリオ登龍門2003大賞受賞作品をドラマ化。「応募総数2,378作品の中で、大賞に選ばれた山元直子さんの作品を元にドラマ化したもの。不況の嵐が吹き荒れる下町の町工場街。そこにある社長を含め従業員５人のちっぽけな町工場で起きた事件と、工場で生きる人たちの愛と涙と希望を描いた珠玉の作品。モノ作りに挑戦する人たちへの尊敬の念、生きることの大切さなどを優しい視線で描いている。不況の嵐が吹き荒れる下町の町工場街。そんな一角にある木田冬柴製作所も、他の工場と同じように経営難に直面していた。電気製品の部品とその金型を設計しているこの会社で働いているのは、社長の木田武司（大杉漣）、共同経営者で経理担当の冬柴雄一郎（モロ師岡）、その妻・洋子（高橋ひとみ）、若い北原哲生（内田朝陽）、70歳のベテラン職人・坂下清次（山崎満）の計５人。冬柴の娘で高校生の宏美（相武紗季）は、そんな５人と工場の２階にあるアパートで暮らしていた。木田は根っからの職人で、採算を度外視して常に新しいモノを追い求めている男。10年前に木田が開発し、食いつないできた部品は、すでにどこの工場でも作るようになり値崩れが激しい。女房役の冬柴は、自分たちの工場を守ろうと、革命的な新製品に繋がる部品の開発に心血を注ぐ木田のフォローにやっきで、金の工面に一生懸命だった。宏美は、そんな父親の苦労を知りつつも、一方で、北原との淡い恋を育んでいたのだ。そんなある日、宏美は、２階の共同浴場で自殺している父親を発見した。親友の阿部薫子（サエコ）と不況による自殺の話をしていた宏美だったが、まさか自分の父親が自殺するとは思いもしなかった。冬柴の遺書は、自分の生命保険金で工場の借金を払ってくれ、との内容。どうやら工場は、借金のカタで差し押さえの瀬戸際に立たされていたようなのだ。冬柴の思いを誰より分かっていながら、「馬鹿だ！根性がない！」といって悪態をつく木田。もちろん、洋子は、そんな木田に、「人殺し！」と掴みかかる。宏美は、弱気になった洋子を励ましながら、これからは自分の意志と責任で生きていくと、北原に宣言する。冬柴の自殺で意気消沈した工場で、真っ先に動き出したのは、新製品の開発に向け新たな決意を固める北原だった。そんな北原を見た木田と坂下も再び働き始める。まもなく、新製品の試作品が出来上がる中、父を亡くした悲しみから宏美が、声を失ってしまった。これを見た洋子は、宏美の将来を考え、あえて北原に宏美を好きにならないで欲しい、と頼み込む。洋子は、今まで家族同様の生活をしてきた工場を出ることを考えていたのだ。洋子の思いを知った北原は、ある日、宏美をデートに連れ出し、自分に素直に生きていくようアドバイスして、別れを告げるが―。【この項、日本テレビ広報資料より引用】」車輌協力・ランナーズ。撮影協力・よこはまコスモワールド、東京デザイン専門学校、エス・アート、東横学園女子短期大学。【データ協力・練馬大根役者、ys_maro】