クリーニング会社「清洗社」の会長・根本景子（佐久間良子）は、過去に人を一人殺めている。以来、参道にある「鬼子母神様」へのお参りを欠かさず、一人息子・圭一（細川茂樹）の幸せだけを願って暮らしていた。しかし今、景子は生涯で２度目の人殺しを計画している。小さな町のクリーニング屋からスタートして30年、景子は、圭一に店を継がせたい一心で働き続け、今では何百人という従業員を抱える会社に成長させた。しかし、再婚した夫・博夫（片桐竜次）は、圭一に社長としての器はなく、継がせる意志もないと言い放つ。さらに外で女をつくり、家に帰ることもほとんどなかった。そんな夫に、景子は殺意を抱いたのだ。その夜、愛人の元から帰宅した博夫に、景子は優しくお酌をした。そして深夜、泥酔した博夫を車に乗せ、人通りのない路上まで走らせると、寝ている博夫を地面に引きずり出し、車に乗り込んで博夫めがけてアクセルを踏んだ。その瞬間、何かを轢いた衝撃を感じ、景子はそのまま走り去った。それから間もなく、雑司が谷南警察署に轢き逃げ事件の一報が入る。被害者はクリーニング会社社長・根本博夫。現場に駆けつけた警部補・青木茂（古谷一行）は、通報者から逃げた車の目撃情報を得る。連絡を受けた景子は、霊安室で遺体となった夫の爪を切っていた。そこに青木が到着し、逃げた車が「真っ赤なスポーツカー」だったことを告げる。それは、景子が使用した車とは明らかに違う目撃証言だった。景子は心の中で「鬼子母神様」に感謝した。一方の青木は、遺体の爪を切る景子を不審に思う。【以上、テレビ東京広報資料より引用】地上波NTSC方式では、TX系、2003/09/10、水曜20:54～22:48に放送された。撮影協力：雑司ヶ谷　鬼子母神堂、東京プリンスホテル、横浜フィルム・コミッション、Bridal Salon TOTO青山、オリエントホテル横濱開洋亭、花判、横浜港大さん橋国際客船ターミナル、植村写真スタヂオ、東日本旅客鉄道長野支社、オタギ、神奈川県クリーニング協同組合　スワン21、鎌倉プリンスホテル、東京メモリードホール、清友。協力：テクノマックス、ケイエッチケイアート、山崎美術、東京衣裳、ブルーバック、パルティール、ランナーズ、ヘアディメンションPART2、最上企画、国際放映。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】