一年半前、あるスーパーで閉店後に売上金三千万円が強奪された。犯人の遠藤正之は巡回に来たガードマンを刺殺し、共犯の松島邦夫と共に逃亡。その後、遠藤は他殺体となって発見されたが、松島はまだ逃亡を続けている。事件を追っている八丈島署の山岡雄作刑事は、松島の妻、松島律子を尾行。松島逮捕のチャンスを窺っていた。安浦家では、エリが始める子供服店の開店準備で大忙し。しかし、妹のユカはいそいそとどこかに出かけて行く。ユカの彼氏、山岡刑事が律子を追って八丈島から東京に来るのだ。モノレール乗り場で山岡を見つけ、笑顔で駆け寄ろうとするユカ。山岡刑事もユカに気付いた。だが、厳しい表情で律子を追って行く。ユカはそれ以上近づくことは出来なかった。山手中央署に出勤していた安浦刑事は、田崎晴子と昼飯を食いに街に出かけた。と、五歳と三歳ぐらいの幼い姉妹（千鶴と千春）が安浦に駆け寄り、服を引っ張った。困惑する安浦。だが、手渡された手紙を読んで驚いた。そこには、「安浦さん、厚かましいお願いですが、二人をお願いします」と書かれていた。差出人は西村紀子とある。安浦は三年前の事件を思い出していた。夫を亡くし、それまで働いていた事務の仕事もクビになった紀子は駅前のスナックに働きに出た。そして、子供を残したままスナックで知り合った男と逃げようとしたのだ。幸いにもすぐに発見された紀子を説教したのが安浦刑事だった。その時は自分のしたことを反省して元のスナックに戻った紀子だったが、またしても子供を残してどこかに…？そんなことはないと思いつつ、千鶴と千春の案内で紀子のアパートを訪ねる安浦と晴子。だが、なぜか鏡台が二つある。三年前は確か一つしかなかったはずだが…。そのとき安浦刑事の携帯が鳴った。殺人事件だ。安浦は幼い姉妹を晴子に任せ、現場に急行した。現場となったのは倉田商事の事務所。被害者はその社員で工藤友也。傷害の前科がある。凶器はオフィスにあったガラスの灰皿と思われた。その後事件はそれぞれ、人間の思いを背景に二転三転。意外な結末を迎えていくのだった…。【以上、東映広報資料より引用】