江戸時代の画家、伊藤若冲は京都の裕福な青物問屋に生まれ、40歳にして隠居。85年の生涯を閉じるまで、おびただしい数の絵を描き続けた伝説の画家といわれる。現代のマンガやアニメに通じる大胆な色彩感覚と奇抜な構図。細密な写実でありながら、微妙にデフォルメされた動植物の不思議な美しさ。同時代の円山応挙、池大雅などと比べて、その作品の独創性と華麗さは群を抜くという。一体、若冲はどのようにしてその独自の表現技法を身につけることができたのか。なぜ動物や植物にこだわり続けたのか。若冲コレクターの第一人者であり、50年の歳月を若冲研究に打ち込んできたアメリカ人、ジョー・プライス氏の話を中心に、ドキュメンタリードラマの手法を用いながら、その不思議な魅力に迫っていく。京都の風流人に囲まれて、奔放かつ華麗な人生を送った鬼才画家のすべてを描く。取材協力：宮内庁三の丸尚蔵館、相国寺、石峰寺、栃木県葛生町、全国日本鶏保存会、京都錦市場商店街振興組合、ロサンゼルス郡美術館、山中商会、川島織物、サイエンスファクトリー、狩野　博幸。資料提供：エツコ・ジョープライス　コレクション、京都国立博物館、フランク・ロイド・ライト財団、花月菴、白鶴美術館、大阪城天守閣、大阪府教育委員会、大阪市立自然史博物館、慶應義塾図書館、長崎大学附属図書館、東京都立中央図書館、西陣織物館。