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ドラマ 詳細データ朗読紀行 にっぽんの名作 坂口安吾「桜の森の満開の下」1947年刊

真っ暗な夜道を一台の車が走ってきて停車した。車中でタバコの火がともされ、川原亜矢子の顔がしばし浮かび上がる。ふたたび暗闇に戻ると、「桜の森の満開の下」冒頭の朗読がはじまった。車は動きだし、以後転々と場所を変えつつ朗読が行われていく。夜の車中、朝方の海沿いの工業地帯の路上、曇り空の昼の海際。さらに、雨のなかを歩き、同じく海沿いの廃工場に入ったあと、橋の上、夜の空き地での焚き火の傍ら、翌朝の車中と朗読を続けてゆく。シティーホテルの一室。横になった川原が、女の言うままに男が集めてきた首同士の振る舞いと、女による首への無惨な仕打ちを描いた一節を読む。次のシーンでは浴槽の排水口に赤い血が流れ込んでゆく。晴れ上がった市街、ホテル、夜の屋上。そして日中の埋め立て地に立ちつくす川原。左手に持っているのは「桜の森…」の本だが、アップになった右手に握られているのは、拳銃だ。三たびホテルの一室、晴れた昼の屋上。朗読は終盤にさしかかり、雨の中、傘を手に埋め立て地へと歩いていく。一本道を画面の奥へと進んでいた川原が振り向いたとたん、銃声が轟く。路上に倒れた川原が舐めるように映し出されていくが、もはや手には本は見あたらない。身動きもせず目も閉ざされてしまった。続くシーンはたったいま彼女が歩いていた道。放り出された傘だけが映るなか、エンドロールが流れ出す。川原の朗読以外の台詞・字幕は一切排除され、読み方には感情の起伏が極力抑制されている。感情を込めて、聞く者を物語に没入させるという方法ではなく、音声を物質のように視聴者に向けてぶつけているようにもとれる。撮影は、基本的に固定されたアングル・長回し。画面に映る人間は川原だけで、撮影場所になった廃墟の瓦礫同様、物質的・無機的に映し出されている。【以上、文・練馬大根役者】地上波では、2001/03/31、NHK ETV「土曜プレミアム」(土曜22:00~22:50)の最終回として放送された。一部資料では、2001/02/04放送と記載されている。
キー局 NHK BS-HI 放送曜日 放送期間 2001/02/28~2001/02/28
放送時間 放送回数 1 回 連続/単発 単発
主な出演 読む人・川原亜矢子
主なプロデューサ 川村 尚敬
主な演出 長崎 俊一、(記録・小室和佳子
原作 坂口 安吾
局系列 NHK
制作会社 NHK、(共同制作・NHKエンタープライズ、KAZUMO(カズモ))
制作 (制作統括・上田  信、長橋 勝治)
音楽 (音響効果・帆苅 幸雄
撮影技術 木田  茂、(照明・高坂 俊秀)(音声・北村 峰晴)(映像技術・柳  慎二)(編集・石井由美子
HP

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