公立の西南高校に赴任し、２年Ｂ組の担任になった非常勤講師の沢木龍之介（中村雅俊）は、教室に入ったとたん、クラスを包む病んだ空気をすぐに察知した。進学率を高めたい校長らの方針にそって授業が行われているため、生徒は出来る生徒と落ちこぼれ組に２分されてバラバラ。１週間程前には、戸田勝という生徒の飛び降り自殺も発生していたのだ。　まもなく、沢木は、風俗チラシ配りのバイトをして補導された生徒・粟野美香を引き取りに行ったのがきっかけで、勝の母・戸田康子と顔を合わせた。康子の話によると、勝はクラスの優等生・玉井順一とはライバル同士で、少し前の試験では順一を抜きトップになっていた。ただ、自殺する前、不良グループの番長・豊島から何度か電話が入っていたという。勝の自殺に興味を抱いた沢木は生徒から話を聞く。だが、その口は一様に重く、詳しい事は分からない。そんな中、豊島を名乗る男に呼び出された沢木は、頭を撲られ意識不明で倒れている豊島を発見。その直後、沢木は到着した警官に連行された。警察に「教師が生徒に体罰を加えている」との匿名の110番通報があったらしいのだ。豊島の不良仲間を締め上げた沢木は、事件前、豊島が何者かからの連絡を受け、顔色を変え姿を消していたことを確認。さらに、勝が自殺の１週間前、スーパーで万引きをし、それをネタに豊島から強請られていたことも分かった。警察の捜査は難航。同時に、沢木を辞めさせろ、との声が父兄の間に出はじめた。その陣頭に立つのは人一倍教育熱心なことで知られる順一の父・玉井秀和。ところが、玉井の家を家庭訪問した沢木は、順一が母・典子に対し、隠れて暴力を振るっていると知り、愕然とした。しばらくして、沢木の家のポストに「信じていたものに裏切られた」という内容の勝直筆の遺書が投げ込まれた。勝の自殺に別の動機が潜んでいるとにらんだ沢木は、意識を取り戻した豊島に、万引きをネタに勝を強請っていたかどうかを確認する。だが、豊島は何かを怖れているのか狼狽しながら全てを否定した。豊島が嘘をついていると確信した沢木は、クラスのホームルームで生徒に、勝の遺書が届けられたことを公表し、犯人の出方をみた。その結果、意外な人物が沢木の罠にかかって…。車輌協力：麻生リース。撮影協力：横浜フィルムコミッション、横浜市立桜丘高等学校、Fit Care DEPOT、アルプス物流、GAME INN パラダイス。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（データ協力：下衆さん）】