ひかる（深津絵里）が監察医になって１年が経ち、彼女の尊敬する裕里子（鈴木京香）は別の大学に移っていた。製薬会社で職員の死体が発見され、その解剖に立ち会ったひかるは、遺体の大腿部にあった皮下出血痕が気になり現場に足を運ぶ。製薬会社の研究室では、裕里子の大学の同窓生・露木（石黒賢）と渚（床嶋佳子）が、新薬開発で競い合っていた。職員の死の真相がつかめないうち、渚が焼死する事件が起きる。「ノストラダムスの大予言の日が近づいていたある夜、天野ひかる（深津絵里）、杉　裕里子（鈴木京香）、月山紀子（松雪泰子）、黒川栄子（小林聡美）の四人は、いつものようにイタリアンレストランで食事していた。話題はいつしか、世界がほんとうに後三ヶ月で滅びるとしたら何をするかということになる。黒川は言下にそれは恋だと言う。一笑に付す三人に、人間が死ぬ瞬間に思い浮かべるのは好きな人の顔だと言い返す黒川。その時、月山の部下：森田和也（野村拓人）が現れ、多摩の「アケボノ製薬株式会社」で女性の変死体が発見されたという。現場に急行する四人。女性は総務課の宮前あすか（初瀬かおる）。当初、遺体の側に残されていた雑巾から、６階の会議室の窓を掃除していて転落したと思われたが、ひかるは死亡時刻は夜と推定する。そんな時間に掃除するというのは不自然だ。月山は捜査を開始する。死亡推定時刻に社内に残っていたのは二人の研究員だけ。その露木智也（石黒　賢）と日向　渚（床嶋佳子）は、それぞれの部屋で研究に没頭していて、何も気づかなかったという。月山は日向の無愛想な切り口上に腹を立てる。一方、上司の総務課長の久保昇一（郷田ほづみ）は、宮前に資料整理の残業を命じたと証言する。ひかるたちは解剖をはじめた。不審点がいくつかあった。６階から落ちたにしては脳の損傷が少ない。さらに大腿部に皮下出血がある。何か細長くて曲がったものにぶつかった痕らしい。転落か、自殺か、それとも…。さらに捜査が進むと、他殺の可能性が出てきた。実は宮前は社内恋愛で男に手ひどく振られていた。相手は露木だった。なぜ彼はそのことを警察に言わなかったのか。月山は確固たる証拠をつかむため、例の雑巾の分析をひかるの勤め先の関東医務院に依頼する。しかし田所新作（柳葉敏郎）は警察の鑑識を通さない検査を拒絶した。お鉢は平成医科大学に移籍していた杉にまわってくる。ひかるも協力して、雑巾は宮前が使っていたものではないことが判明した。誰かが故意に遺体の側に置いたのかもしれない。色めき立った月山は杉の研究室を飛び出してゆく。残ったひかるはなにげなく露木の名を漏らす。顔色を変える杉。露木も日向も大学の同期だったのだ。いまは研究でしのぎを削るふたりには、何かいわくつきの過去があったらしい…。【この項、文：練馬大根役者】」協力：エス・スリー、アクティス。医療協力：日立製作所、日立工機、日製産業。美術協力：NEC、コルリオーネ、エフ：マイアミ商事。撮影協力：ルーテル学院大学、中央大学、桂川電機、三桂製作所、イル・プッテロ、恵泉女学園短期大学、キヤノン、医療法人横浜旭中央総合病院。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（データ協力：練馬大根役者）】