舘ひろしと石黒賢がひとまわり年が違う兄弟に扮し、珍事件を解決していく軽いタッチのコメディ。「クールな二枚目役が多い舘ひろしが意外にも、情にもろく、ちょっぴりドジな私立探偵を演じる。初回は司法試験を目指す弟、理（さとし、石黒賢）が事務所に転がり込み、二人が事件に巻き込まれる様子をコメディータッチで描く。探偵事務所の所長、倫平（舘ひろし）のもとに、既婚女性から依頼が来る。離婚の理由にするため、夫の浮気をでっちあげて欲しいというのだ。倫平は夫が好みそうな女性を接近させ、浮気の現場を押さえようと計画。品の良い女子大生、江里子（酒井法子）を「壊し屋」として雇う。思惑通り、二人はデートののち、ホテルへ。倫平は外で待ち構えるが、二人は裏口から外に出て、江里子はそのまま行方をくらましてしまう…。意識的に照明を落とした暗い画面が、最初はハードボイルドの探偵物を連想させるが、中身は心温まる人情話といった趣。無精ひげを生やし、髪にくしも通さない三枚目の舘が良い味を出している。理知的な石黒とのコンビが好対照で、二人の掛け合いが楽しい。ゲスト出演の酒井も世間知らずのお嬢さまぶりを好演。毎回異なるゲストを招く趣向も今後、期待できそうだ。今回は登場人物の紹介にやや時間がかかったが、探偵物らしいアクションが加われば、幅広い層が楽しめそうだ。【読売新聞1995/01/12付「試写室」より引用。（署名・多）】」