東京から直行の空路が出来た記念に宮古島で山下清の展覧会が開催されることになったため、大場先生（中条静夫）に連れられて現地を訪れる放浪の天才画家・山下清（芦屋雁之助）。空港で盛大な歓迎を受け、島内観光に連れ出された清は、こっそり背広を脱ぎ捨て大場先生や助役（安部潮）から逃れ、里中診療所に辿り着く。そこで女医のカヨ（赤木春恵）やその娘・由美（芳本美代子）と打ち解けた清は、診療所で働かせてもらうことに。法事のために東京からカヨの長男の勝（西岡徳馬）も帰郷し、伊良部島に住む次男の〔シゲル〕夫婦（趙方豪、円希恵）も診療所を訪れる。勝はカヨの年令のことも考え、カヨを引き取ると言い出すが、実は勝は経営する土建屋の事業の予算を捻出するため、診療所と家を売り払ってもらおうと考えていた。〔シゲル〕も異論はなかったが、二人は妹の由美の身の振り方だけが気がかりだった。しかし由美には漁師の〔サダキチ〕（小島三児）の息子である〔セイイチ〕（藤田敏章）という恋人がいると知り、売却計画を進めようと考える。そんな頃、亡き夫の形見である懐中時計を〔シゲル〕の息子で孫の〔マサオ〕（津田充博）にプレゼントしようと考えたカヨは、それを渡しに行く役割を清に依頼する。快諾した清だったが、懐中時計に何の愛着もない〔シゲル〕や〔マサオ〕に落胆する。それでも清から八幡学園を心の故郷としていると聞かされた勝は、自分たちの心の故郷でもある診療所を売り払うことを考え直す。そんな時、〔サダキチ〕が仕事で大ケガをするが、カヨの応急処置で助かる。大きな病院へ治療に行く人も増えたので廃業を考えていたカヨだったが、村の人の希望を受け入れ、そのまま診療所を続けることに。カヨを描いた絵を託す清の元に大場が迎えに来て、人々は清が山下清画伯であったことを知る。そんな中、カヨだけはすでに清が山下清画伯本人であることに気付いていた。清は大場先生とともに展覧会の会場へと向かうことになる。【以上、文：市村靖介】ロケーション協力：沖縄県宮古島、宮古広域圏事務組合、平良市、城辺町、伊良部町、下地町、上野村、宮古観光協会、沖縄県宮古商工会議所、宮古青年会議所、ホテル共和、琉球海運、南西航空。【演技者…役名】「●芦屋雁之助…山下清（放浪の天才画家）、●芳本美代子…里中由美（カヨの長女。里中診療所の看護婦）、●西岡徳馬…勝〔マサル〕（カヨの長男。東京で土建屋を営んでいる。父親の七回忌の法事で帰郷する）、●小島三児…〔サダキチ〕（里中診療所の患者。漁師）、●趙方豪…〔シゲル〕（カヨの次男。伊良部島在住）、●田畑猛雄…宮古島の巡査（浜にいた山下清に職務質問する男性）、●藤田敏章…〔セイイチ〕（〔サダキチ〕の息子。由美の恋人）、●円希恵…〔シゲル〕の妻、●安部潮…助役（山下清と大場先生を案内する男性）、●田中雅子…〔トシコ〕（〔サダキチ〕の娘。後に里中診療所を手伝うことになる）、●津田充博…〔マサオ〕（〔シゲル〕の息子）？、●杉谷なつみ…漁港でカヨに声をかける就業中の女性？、●中条静夫…大場（山下清を引率する先生）、●赤木春恵…カヨ（宮古島にある里中診療所の女医）。【この項、文：市村靖介】」【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（データ協力：市村靖介）】