八丈島を訪れた放浪の天才画家・山下清は、闘牛場で〔トヨ〕とその孫で小学生の〔ケンタ〕と知り合う。〔ケンタ〕は姉の真由美の幼なじみで、農園で花やアシタバを育てている〔ミツオ〕の作る模型飛行機に憧れていた。清は〔ケンタ〕の家の居候になり、海女である真由美の仕事を手伝うことに。ある日、真由美は海で溺れていたホテルの若社長・〔セイイチ〕を助け、彼に一目惚れされてしまう。欲の出た〔トヨ〕は、真由美がホテルに嫁いでくれたら暮らしが豊かになると喜ぶが、真由美は〔ミツオ〕のことが好きなのだった。〔ミツオ〕も真由美のことが好きだったが、真由美の将来を思って身を引こうとする。東京の大手玩具メーカーに送った模型飛行機の設計図が認められ、〔ミツオ〕は入社を決意する。真由美の婚礼の日、式の会場であるホテルに忍び込んだ清は、真由美を波止場へ連れて行くが、連絡船は出航した後だった。しかし、〔ケンタ〕の説得で上京を思いとどまった〔ミツオ〕は乗船しておらず、真由美に二人で八丈島で暮らして行こうと話す。やって来た〔トヨ〕や若社長の両親たちも納得する。そこで若社長の父親が清の描いた花畑の中の若い男女が描かれた絵を見て、山下清画伯であることに気付く。そこで清はまた旅に出るのだった。【以上、文：市村】ロケーション協力・八丈町、八丈島観光協会、八丈島ホテルロイヤル。【演技者…役名】「芦屋雁之助…山下清（放浪の天才画家。浅草出身）、杉田かおる…真由美（八丈島の海女。両親は亡くなっている）、宝生あやこ…〔トヨ〕（真由美の祖母）、鶴見辰吾…松山〔・ミツオ〕（菊池農園でフリージアやアシタバを育てている青年。両親は亡くなっている）、神山繁…ホテルロイヤルの社長、山之内滋美…ホテルロイヤルの社長夫人、舟田走…〔セイイチ〕（ホテルロイヤルの若社長）、江幡高志…八丈町の町長、花上晃…ホテルロイヤルの支配人、今村廣則…八丈町の住人、橋本巧…〔ケンタ〕（真由美の弟。小学生）、ダ・カーポ…花畑を歌いながら歩くカップルの観光客、星野晃…八丈町の住人。【この項、文：市村】」」【データ協力：市村】