芸術祭参加作品。「様々な過去を持つ4人の女性が女性レーサーを復活させる話。【この項、文：市村靖介】」「部下に恋人を奪われたファッション雑誌の編集長（烏丸せつこ）、子供二人を道連れに心中を図ったギャンブル狂（ちあきなおみ）、結婚式の一週間前に暴漢に襲われて婚約を破棄されたOL（杉田かおる）、両親の残した鈴鹿の自動車整備工場を守る娘（森下愛子）、事故で足を悪くしたレーサー（飛鳥涼）の四人の女と一人の男が、女性レーサー（吉川とみ子）の再起のレースにかける物語。古来、男の友情、たくましさ、やさしさ、一途さをたたえる話はたくさんあるが、女のそれを扱った物語はあまり見あたらない。これはその点で数少ないドラマだ。女の自立、女の性、女の事件、今やテレビドラマは女オンリーでさえあるが、そのほとんどが男の描いた女という感じがする。しかし、やはり、女が書き（脚本・大野靖子）、女が作った（演出・せんぼんよしこ）本物の女性ドラマという感じ。女がステキすぎる半面、ひきょうな男が登場して、男性視聴者には不満かもしれないが、これまでその逆が多かったのだから、許してもらえるのではないか。【この項、毎日新聞テレビ欄「視聴室」より引用（署名：鈴）】」