教育ドラマとしても評価を受けた『父母の誤算』の後番組。今度はガラリと趣向を変え、しゃれたセンスの都会派ドラマだ。貿易会社を経営する高村清二（高橋昌也）は、先妻を亡くしたあと秘書をしていた夏美（浅丘ルリ子）と結婚して８年。清二には先妻の子、悠子（池上季実子）がいる。はた目には幸福に見える家族は、土曜日になると軽井沢の豪華な別荘で週末を過ごす。だが、本当は夫婦の気持ちはバラバラだ。夏美には２歳年下の建築デザイナー、千野優（田村正和）という愛人がいるし、清二も若い秘書、中村和代（結城しのぶ）と情事を楽しんでいる。大学生の悠子は夏美に心を許していない。楽しそうな週末の団らんも、一皮むけば危なっかしいバランスゲームだ。夏美が忘れていった結婚指輪を届けるため、軽井沢まで外車でやってきた千野が、夏美と会っているところを悠子が見てしまったことから事態は動きだす。ラブサスペンスが軽快な音楽にのって展開していく。深刻な内容の割には、福田陽一郎の脚本が軽やかで、肩がこらない。【以上、毎日新聞1981/08/01付「視聴室」より引用、署名：（孝）】【役名（演技者）】高村夏美（浅丘ルリ子）、千野 優（田村正和）、高村悠子（池上季実子）、瀬川貞一（井上純一）、高村清二（高橋昌也）、貞一の母・瀬川京子（加藤治子）、清二の秘書・中村和代（結城しのぶ）、瀬川教授（内藤武敏）、横井（佐川満男）。【参考文献：webサイト「脚本データベース」（2021/05/21参照、http://db.nkac.or.jp/top.htm）】