病院での赤ん坊の取り違いによる、二つの家族に起こったとまどいや波紋を、とくに母親の姿を中心に描いていく。東京の下町に住む高島夫婦（江原真二郎、中村玉緒）は、ある日病院の弁護士から、息子の孝太郎が他人の子であることを知らされる。９年前、病院が高島夫婦の赤ん坊と杉本啓子（加賀まりこ）という女性の赤ん坊を取り違えてしまったというのである。こどもを交換すべきか、そのまま育て続けるべきか。話し合いの結果、高島夫婦が杉本の子といっしょに育てることになるのだが……。かつて病院で実際に起きた事件を素材に、富川元文が書きおろす５回シリーズ。【以上、「グラフNHK」（NHKサービスセンター刊）1980年７月号より引用】「当時、墨田区の小学校教師だった冨川元文が脚本を手掛けている。【この項、学研刊「1980年代全ドラマクロニクル」（TVライフ編）より引用】」川上麻衣子デビュー作。