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ドラマ 詳細データ純情家族

香川登枝緒の連続テレビドラマ第一作。京阪電気鉄道提供。脚本の香川は後年、本作の生放送時に出演者の芦之家雁玉がしでかしたNGのことを自著で語っている。「テレビにビデオテープが採用されて録画になったのは、かなり遅くて初期の番組は、すべて生放送だったから、トチリと失敗が沢山あった。思い出してもおかしいのは、『純情家族』のそれである。これはわたしが執筆した連続テレビドラマの第一作である。主演はザイ界(財界ではなく漫才界)の長老、芦之家雁玉師(雁之助、小雁らの師匠)と林田十郎師で、スポンサーは京阪電車だった。テレビドラマの生放送の場合は、スタジオの四方に四つなり五つのセットが設置され、中央の空間にカメラがあって、ストーリーの進行と共に移動し撮影するのだ。そのある回に、下駄屋の勘兵衛さん(雁玉)が逆境にめげず逞しく生きる孤児に出会って励ましてやる話があったと思ってほしい。夜の街のセットで勘兵衛さんが少年と語りあうシーンがあって、次のシーンはそれから数日後の勘兵衛の家の客間である。遊びに来た弟の留造(十郎)に向って、「なあ留造よ、世の中にはしっかりした子がいてるなあ」と勘兵衛が話しかけるツーショット(画面に二人が写っている)で始まる予定だったのに、雁玉さんがカン違いをして他のセットに坐っているのだ。十郎さんの留造が、困った顔で待つところへ、さすがにベテラン!おめず憶せず雁玉さんが移動して来て、「やあ留造、待たせたなあ」……とでもいってくれたら抵抗なくドラマが進行したのだが、再び雁玉さんはカン違いをして、「こんばんわ」と挨拶して入って来たのだ。そこで仕方なく十郎さんは「やあ、いらっしゃい。まあどうぞ」と座蒲団をすすめる。おわかりだろうか?……この瞬間、勘兵衛の家であるべき部屋が、留造の家に変ってしまった。いわば乗っとられてしまったのである。それでも何とか二言三言(ふたことみこと)の会話が進行した時点で、十郎さんが不思議そうにこういった。「そらそうと兄さん、この家は誰の物やねん?」そのとき雁玉師は少しも騒がず、「テレビ局の物やがな」……スタジオに爆笑が破裂した。【この項、文:香川登枝緒(「まあ聞いてんか香川登枝緒です」(1990年、ファラオ企画刊)より引用)、川崎隆章著「まぼろしの大阪テレビ 全番組集成」(2016/10/03、東方出版刊)】
キー局 OTV 放送曜日 放送期間 1958/03/21~1958/07/25
放送時間 20:00-20:30 放送回数 19 回 連続/単発 連続
番組名 京阪テレビ・カー
主な出演 林田 十郎芦之家雁玉吉川 雅恵若杉 弥生日高  久広野みどり
主な脚本 香川登志緒香川登枝緒
局系列 JNN
制作会社 OTV

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