美しい未亡人を愛しつつも、もう一人の女にかりそめの恋を結ぶ男の繊細な心のゆらめきを描く。「大学の研究室で助手をしながら、映画評論もやっている秋山豊が藤崎家を訪れるのは、久しぶりのことだった。先輩の黒田三郎が生きていた時はわが家のように出入りしていたが、三郎が死ぬ半年ほど前、三郎の妻の妙子を愛していることに気がついてからずっと遠ざかっていた。この日は三郎の七回忌で三郎と妙子の結婚式に出席した知人たちが集まり、妙子と一人娘の息子を励ます会を開いたのだった。この会には、秋山をはじめ、三郎の友人でスポーツ記者の木島昇や妙子の同級生の立松正子、重役夫人におさまっている間庭元子、元子の妹・道子らが集まった。席上、妙子の実父・藤崎恭介から、妙子と良子の行く末を頼まれた一同は、近いうちに妙子をスキーに連れだすことにした。【この項、「グラフNHK」（雑誌、NHKサービスセンター刊）1973年２月号より引用】」【役名（演技者）】藤崎妙子（小山明子）、秋山豊（伊藤孝雄）、立松正子（吉行和子）、元子の妹・道子（坂本真理）、妙子の娘・良子（広瀬登美子）、間庭元子（伊吹友木子）、妙子の父（岩田直二）、木島（小沢弘治）。【参考文献：「グラフNHK」（雑誌、NHKサービスセンター刊）1973/02/01号】