大戦末期、戦火を避けた上州路を、東京の空襲で家を焼け出されすべての身寄りも、財産もなくしたおとめが歩いていた。このおとめは、阿井霧子（井上清子）といって、たった一つのたよりとして、やって来たのが父の友人の家であった。そこは、親同士が決めた彼女のいいなずけの家。しかし、そのいいなずけ敏夫は出征したあと。その日から、彼女は名目だけの妻の座にすわった。彼女はかいがいしく働いた。この家を守ることがいまは名目だけの夫に対する愛情の表現であるかのように……。【以上、読売新聞1969/07/28付より引用】白黒作品。テレビ映画。提供：味の素。【データ協力：高校教師】【参考資料：書籍「劇団ひまわり30周年史」（1981/09/22発行、発行所：株式会社劇団ひまわり）】