科学空想ドラマシリーズ『ウルトラＱ』（放送期間：1966/01/02～1966/07/03、1967/12/14、全28回）の一編。ウルトラシリーズの第１弾。当初は怪獣特撮ドラマではなく、「ミステリーゾーン」の日本版のような作りを目指していたため、作品の傾向がバラエティに富んでいる。「「これから30分、あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです」石坂浩二のナレーションで始まる国産ファンタジードラマの傑作。円谷プロダクションが初めて制作したテレビシリーズドラマで、当初は「アンバランス」と呼ばれていた。当時最新の光学合成撮影機オプチカルプリンターを導入、約半年の放送に対し１年以上の製作期間を要するほど丁寧に作られ、破格の製作費が投入された。もし自然界のバランスが崩れたらをテーマに、星川航空のパイロット兼自称SF作家・万城目淳、その助手戸川一平、新聞社社会部の女性カメラマン江戸川由利子のトリオが怪事件に挑む。怪事件は日常的なエピソードから地球的スケールのものまでがあった。例えば、人間蒸発を描いた「あけてくれ」、呪いの洋館でのホラー「クモ男爵」、日本沈没を予見する「海底原人ラゴン」、地球上のすべてのエネルギーを吸い尽くす宇宙生物「バルンガ」、侵略SF「2020年の挑戦」、遭難旅客機が異次元に迷い込む「206便消滅す」、人口抑制の為に人間を縮小する｢1/8計画」、正統派怪獣映画「ゴメスを倒せ!」、風刺ファンタジー「カネゴンの繭」、南極を舞台にした「ペギラが来た」など、その多様さはテレビシリーズの枠を越えており秀逸。更に「ウルトラQ」の人気を決定的にしたのが、各エピソードに登場する怪獣たちである。カネゴン、ペギラ、ガラモン、ケムール人など成田亨デザイン・高山良策造形の着ぐるみ怪獣たちは、本当に生きている様なショックを当時の子供に与え一大怪獣ブームを巻き起こし、後の「ウルトラマン」を産み出した。【この項、ファミリー劇場広報資料より引用】」なお、一部資料では放送順が異なって記載されているが、これは再放送時に順序を変えて放送されることがあったため誤記が生じた模様で、熱心なファンのその後の調査で本記載が本放送時の順序だったことがほぼ確定したという。【演技者…役名（解説）】「●佐原健二…万城目淳（星川航空のパイロット）、●桜井浩子…江戸川由利子（毎日新報の女性カメラマン）、●西條康彦…戸川一平（星川航空のパイロット助手）戸川一平（星川航空のパイロット助手）、●田島義文…関（毎日新報のデスク）、●富田仲次郎…中村（東海弾丸道路第三工区の作業係長）、●山本廉…東海弾丸道路第三工区の作業員B、●大林千吉（大村千吉）…東海弾丸道路第三工区の作業員A（アルコール中毒）、●森野五郎…金峰山洞仙寺の住職、●村岡順二…次郎（東海弾丸道路第三工区にいる少年）、●関田裕…東海弾丸道路第三工区の作業員、●山田圭介…東海弾丸道路第三工区に来る学者B（メガネの男性）、●勝本圭一郎…東海弾丸道路第三工区に来る学者A（ソフト帽の男性）、●中島春雄…ゴメス、●江原達怡…新田（毎日新報の記者）、●小宮山清…次郎の声。【この項、文：市村靖介】」【データ協力：市村靖介】