日活テレビ室製作で、春原政久、内田一作監督が交互に演出するテレビ映画である。原作は当時小学生三年生だっ高久めぐみちゃんの作文で、映画では古谷みつ江がめぐみちゃんをやる。彼女の家にせっちゃん（五月女マリ）と呼ばれるお手伝いさんがやってきた。むじゃきすぎるぐらいの彼女は、東北出身。いつも大きな声で歌をうたい、ぎっしり並ぶ東京の家並みにおどろく少女だ。そのせっちゃんのおりなす失敗は、周囲のおとなたちをも、いつしか笑いのウズにまきこんでしまう、あどけなさをもっている。この放送に先だって７月16日には原作者高久めぐみさん（日本女子大付属中学校）が練馬のロケ・セットに、劇中めぐみちゃんにふんする古谷みつ江を訪問した。「私にしてはかわいすぎるわ」という本物は、古谷の髪を直すなどしてやさしい心づかいを見せ、夏休みには、古谷がめぐみちゃんの家を訪問する約束をかわすなど原作者と主演者の意気はピタリだった。【以上、読売新聞1964/07/18付より引用】【各回サブタイトル】第１回「せっちゃんがやってきた」（1964/07/18放送）。【役名（演技者）】せっちゃん（五月女マリ）、めぐみの父・周作（菅原謙二）、母・美佐子（馬淵晴子）、めぐみちゃん（古屋みつ江）。