脚本の秋元松代は本作について以下のように記している。「テレビドラマの制作が始まった頃は、まだ録画技術も水準の低いものだった。従って書く上にも制約が多くて、私は書く気持になれなかった。その後ようやく録画方法に新しい技術や機械が開発されてきたので、初めて書いたのが『雪はまだ降る』だった。NHK名古屋局から依頼されて、異常豪雪に襲われた北陸地方へ取材に行った。越前大野市と勝山市の周辺を歩き、九頭竜川に沿って県境に近い山村へも行った。四日目になって加賀へ入り、山間部に雪で孤立した小さな町があると聞いて、ようやく通るようになった除雪車の後に蹤いて行った。そこで廃墟のようになった銅山鉱業所に行会った時の強い印象は今も忘れられない。【この項、文：秋元松代氏（「秋元松代全作品集」第三巻（1976年、大和書房刊）より引用）】」。ただし、実際には本作以前にも秋元松代が執筆したと思われるテレビドラマが存在する。