史上初の西洋医学書翻訳本「解体新書」。その誕生の裏には、前野良沢と杉田玄白の友情と決別の物語があった。みなもと太郎・原作、三谷幸喜・脚本で送る究極の娯楽時代劇。西洋の医学書「ターヘル・アナトミア」を手に長崎遊学から戻った前野良沢は、医師仲間の杉田玄白から“腑分け”の見学に誘われる。人間の身体が漢方医学で伝えられたものとは違い、「ターヘル・アナトミア」に書かれた通りであることを目の当たりにした良沢と玄白は、医学の進歩のためその翻訳に乗り出す。だが辞書もオランダ語の知識もない中、作業は困難を極めーー。【以上、NHK広報資料より引用】「『風雲児たち　蘭学革命篇』（ＮＨＫ）は、みなもと太郎の代表作を原作に三谷幸喜が脚本を書いたということで、いつものちょっとひねったコメディを予期していたが、視聴してみると予想外にストレートな作り手の感情が伝わってくる内容で後に尾を引く感銘を受けた。三谷幸喜は脚本も含めた自作の戯曲について出版を許可しないことをポリシーとしていると聞く。これは後世に作品を残したいという通常の作り手の思いとはちょっと異質だが、劇作家は同時代を生きるべし、という信念の片鱗がそこに見え隠れする。そこが今回の『風雲児たち』で描かれた世界に付合している。歴史に名を残すことをめぐる考えの違いから道を分かつことになった「解体新書」の訳者たちの姿がどこか三谷自身の思いに通じて、いつになく作家内面の思いが直接的に作品のテーマと共鳴しているように感じた。【この項、文：古崎康成（「月刊「ドラマ」」（映人社刊）2018年５月号掲載より引用）】」資料提供：鳥井裕美子、織田　　毅、東京医科歯科大学、大分県立先哲史料館、長崎歴史文化博物館、京都外国語大学付属図書館、Kobe City Museum/DNPartcom、放送大学付属図書館、早稲田大学図書館特別資料室、秋田県立近代美術館、秋田市立千秋美術館、タカギクラヴィア。【役名（演技者）】前野良沢（片岡愛之助）、田沼意次（草刈正雄）、平賀源内（山本耕史）、高山彦九郎（高嶋政伸）、吉雄耕牛（小日向文世）、須原屋 市兵衛（遠藤憲一）、杉田玄白（新納慎也）、桂川甫三（中原丈雄）、寛三（みなもと太郎）、浪人（天乃大介）、玄白の弟子（片岡愛一郎）、中川淳庵（村上新悟）、桂川甫周（迫田孝也）、珉子（長野里美）、峰子（岸井ゆきの）、富士子（中島亜梨沙）、大槻玄沢（大野泰広）、安岡玄真（浅利陽介）、石川玄常（中川大志）、小田野武助（加藤諒）、多紀元徳（山西惇）、奥平昌鹿（栗原英雄）、林 子平（高木渉）、工藤平助（阿南健治）、新蔵（近藤芳正）、国松（小林隆）。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】