楠田靖三（山田真二）は、愛人との逃避行を続ける兄・陽介（成瀬昌彦）を求め、北国の温泉町飯坂を訪れた。福島駅前でふと言葉を交わした女性・片山幹子（飛鳥妙子）に教えられ、ようやく兄とその愛人・歌子（加藤治子）のいるという旅館をつきとめた。しかし靖三の目の前にすわる歌子は、靖三の考えていた芸者上がりで兄をたぶらかした女のイメージとはあまりにかけはなれていた。靖三、幹子、歌子それぞれの苦しみと悩み多き人生と愛の断面を、東北の温泉町飯坂を背景に描く。詩人の西条八十氏が生涯にただ一つ書いた自伝的小説をテレビ・ドラマ化したもの。現地飯坂温泉で十日間にわたりロケを行った。【以上、読売新聞1962/03/15付より引用】「武田ロマン劇場」（放送期間1961/10/12～1963/04/11）の一編。【役名（演技者）】楠田靖三（山田真二）、楠田陽介（成瀬昌彦）、芸者・歌子（加藤治子）、片山幹子（飛鳥妙子）、青木遜（杉裕之）、川口義夫（高城淳一）。