各務章祐（奥田瑛二）の仕事は、遺品整理屋。業務内容は、家族に代わって、亡くなった人の遺品を整理し、部屋の汚れや悪臭を取ること。核家族化が進み、孤独死が増える一方の昨今、徐々に重要性を増しつつある仕事だ。鋭い洞察力を持つ各務は、部屋の状況を観察することで、故人の生前の性格や生活習慣、さらに故人がこの世に残した想いまでも感じ取ることができる―――まるで、遺品の声を聴くように。今日も、新人の助手・樋口奈央（佐藤めぐみ）とともに仕事に向かった各務を待っていたのは、部屋中に血しぶきが飛び散る陰惨な殺人現場だった。刑事の佐伯猛（光石研）は、この部屋の住人・田原信夫（春田純一）が、交際相手の佐藤紀代美（中村敦子）を包丁で刺し、首吊り自殺した無理心中事件だと説明した。その様子にひるむ奈央をよそに、部屋を見回した各務は現場に別の何者かが侵入し、何かを探した形跡があることに気づく。部屋には来月の時刻表が残されていたことから、田原は自殺ではなく、殺されたのだと各務はにらんだ。各務の会社・ジャーニーサポートの女社長である玉枝陽子（渡辺えり）は、事件の話を聞いて、あるゴシップ誌を持ち出した。記事によれば、田原は20年前に連続婦女暴行殺人事件で娘を失い、自ら犯人を殺して復讐を果たし、逮捕された人物だったのだ。田原の遺品整理の依頼は、遠縁の親戚である野村真紀（安達祐実）という女性からのものだったが、さっぱり連絡が取れない。そこで、各務は真紀の家を訪ねてみることに。各務が、田原が大事にしていたとみられる遺品のハンカチを真紀に見せると、彼女は突然取り乱し、遺品は早く捨ててくれと言い放った。田原のことは顔も知らないという真紀だったが、真紀の部屋と田原の部屋の家具の配置がよく似ていることを指摘されると、実は自分は田原の娘で、20年前に一緒に暮らしていたと告白した。自殺した田原を最低の人間だと言い捨てる真紀に向かって、各務は、田原が無理心中したのではなく、何者かに殺されたのだと断言した。そして、殺された田原の交際相手・紀代美の部屋の整理も警察から頼まれた各務は、田原の部屋と同じ人物がこの部屋にも侵入した形跡に気付く。また、箪笥から田原が20年前の事件の記事を集めたスクラップブックが見つかった。佐伯によれば、事件当時、田原は無罪を訴え、それを証明する未使用の特急券の存在を主張し続けたが、結局、それは見つからなかったのだという。田原が冤罪だったことを証明するために作ったと思われるスクラップブックには、「大野」という謎の書き込みが残されていた……田原が殺されたという確信を強めた各務は、遺品に込められた田原の無念の想いに突き動かされるように事件の真相を追究していく。だが、そんな矢先、各務は何者かによって襲われてしまう！　各務を襲った人物とは一体誰なのか？そして、スクラップブックに残された「大野」の意味とは？「遺品の声を聴く男」各務が、驚くべき真実を暴きだす。【以上、テレビ朝日広報資料より引用】ロケ協力：町田コープタウン住宅管理組合、テレネット、クラモチ。【役名（演技者）】各務章祐（奥田瑛二）、玉枝陽子（渡辺えり）、樋口奈央（佐藤めぐみ）、野村真紀（安達祐実）、佐伯猛（光石研）、佐久間杏樹（荒井萌）。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】