秋山小兵衛（藤田まこと）は老中田沼意次（平幹二朗）の引き合わせで、酒井善蔵（蟹江敬三）と再会した。長いこと大病を患って道場も閉めたが、娘のお信（中原果南）の献身的な看病のおかげで回復し、忠兵衛（山田純大）という腕の立つ婿を得て道場も再興した。晩年になってつかんだ幸せをかみしめる善蔵を見て、小兵衛も心がなごんだ。秋山大治郎（山口馬木也）は、五十歳過ぎの浪人・林牛之助（益岡徹）が、素行の悪い旗本の息子高田平馬（村井克行）とその仲間にからまれているところに居合わせ、牛之助を助ける。何の抵抗もしない牛之助だが、本当はかなりの修業を積んでいるように見えた。牛之助は、たった一人で父の敵を探す中島伊織（石田法嗣）という若者に剣を教えていた。高田らは自分たちを相手にしない牛之助に怒り、待ち伏せをし、斬りかかる。伊織の知らせで大治郎が駆けつけたが傷は重い。「伊織に仇を討たせてやりたい」と言って牛之助は息絶えた。牛之助を襲った侍たちが酒井道場の門下生だと分かった。大治郎は伊織と酒井道場に抗議に行き、厳しい処分を求めた。応対した忠兵衛を見て伊織の顔色が変わる。帰路、伊織は、仇の渡辺九十郎を見つけたらしい。九十郎は近江のある藩の剣術指南だったが主家の腰元と不義を働き、それをとがめた伊織の父親を斬り、腰元と二人で逃亡した。近江での伊織はまだ少年で、忠兵衛は気がつかなかったのだ。大治郎は牛之助に代わって伊織を助け、仇を討たせてやりたいと思った。話を聞いた小兵衛は弥七（三浦浩一）に、忠兵衛の身辺を洗うように命じた。忠兵衛は月に一度、小判二両を持って行き先を告げずに家を出る。善蔵もお信も、詮索すると、やっと訪れた幸せが逃げるような不安を感じて詮索はしていない。その忠兵衛を弥七と徳次郎（山内としお）が尾行する。忠兵衛は下町の一軒のしもた屋を訪ねると、お松という女（奥貫薫）がいた。一緒に国を捨て、いずれ妻にしようとしている腰元である。松の家を出た忠兵衛に深編み笠の侍が近づく。忠兵衛には、意外な過去があった…。【以上、フジテレビ広報資料より引用】「藤田まこと主演で5シリーズ（(1)→1998/10-、(2)→1999/12-、(3)→2001/6- 、(4)→2003/1-、(5)→2004/2-）、スペシャル1作（2004/5）が放送された『剣客商売』のスペシャル版。【この項、文：練馬大根役者】」協力・京都大覚寺、御室仁和寺、大本山随心院。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】