1997年度向田邦子賞受賞（金子成人）対象作品。1939年の東京。かなえ（田中裕子）は６年前に夫を亡くし、実家に戻った。彼女は初老の男性・浩太郎（石堂淑朗）が捨てた原稿用紙を拾う。いとこの修造（萩原聖人）によると、彼は元大学講師で左翼活動の指導的立場にあった。だが、修造ら弟子の信頼を失い、娘の滝子（小泉今日子）と人目を避けるように暮らしていた。「古き良き時代の家族たちをノスタルジックに描きながら、仄暗い時代の小さくても鮮やかな「女の炎」を見つめる。1939年。夫を戦地で失った寺崎かなえ（田中裕子）は、今は東京・池上にある実家で母親・里子（加藤治子）たちと生活している。かなえの弟・庄一郎（勝村政信）は亡父と同じ商工省に入り、末っ子の菊江（田畑智子）はまだ女学生だ。ある日、かなえは津雲浩太郎（石堂淑朗）という初老の男が捨てていった原稿用紙を拾う。いとこの修造（萩原聖人）によれば、津雲は元大学講師で左翼の理論的指導者だったのだが、獄中で転向を宣言してからは娘・滝子（小泉今日子）と世間の目を逃れるように暮らしているという。気になったかなえが原稿に目を通すと、それは書きかけの童話だった。どうしてもそれの結末が知りたくなったかなえは津雲の住所を調べて手紙を出してみる。【この項、TBSチャンネル広報資料より引用】」制作協力：東通、緑山スタジオシティ、アックス、池上大坊本行寺、草笛演奏家・河津哲也、TOYS CLUB、ルリスダンラバレ。