雑誌社勤務の祥子（水野真紀）は、同じ会社の編集長で姉の信子（余貴美子）と二人暮らし。信子は仕事の合間を縫い、九州に一人で旅行に出かけた。翌日、信子が金沢で事故死したとの通報が入る。「文啓出版社総務課の笠間祥子（かさまさちこ／水野真紀）は、11歳年上の姉で文啓社の雑誌「ルミエール」編集長・信子（余貴美子）とふたり暮らし。13歳で親を亡くして以来、信子に経済的にも精神的にも支えられて生きてきた。九月の末、一年ぶりでまとまった休みを取れた信子は、リフレッシュのため年一回恒例にしていた二泊三日ひとり旅の九州旅行をすることになっていた。準備に忙しい信子のかたわらで、祥子はふと、姉がカバンのなかに入れようとしていた社員手帖を手に取る。同じ社員手帖でも、総務課の自分と敏腕編集長の自分とでは迫力が違うと慨嘆する。数日後、祥子は金沢で姉が死んだという知らせを受ける。確認のため現地に赴く祥子。医師によると、いまわの際に何かを探すような手つきをしたという。地元の刑事（石丸謙二郎）が、粟津温泉行きのバスにダンプが突っ込んだと説明してくれた。警察は、意識を回復しないまま亡くなった信子の身元を調べるため荷物を探したが、なぜか、信子の座っていた奥の席からはるかに離れた、前のほうの席にあったという。しかし発見した荷物のなかには、身元を確認できるものが入っていなかった。社員証の入った定期入れが見つかったのは、翌日の昼だった。事故現場付近のレストランに勤める女性が、現場近くで拾った、身元不明の被害者のものではないかといって届け出たという。つまりカバンのなかから唯一身元を証明できる定期入れだけが飛び出し、道に転がっていたことになる。不審な点はさらにあった。確認のためカバンの中身をあらためると、社員手帖がみつからない。祥子は弔問に訪れた「ルミエール」副編集長・町田知枝（あめくみちこ）に、推理を語る。信子は男といっしょに旅行していたのではないか。男は誰にも知られたくないので、荷物を前の座席に置き、自分もそこに座り、信子には後の席に座らせたのではないか。事故が起きたとき、男は逃げた。カバンから社員手帖と定期入れを抜き取って、意識不明の信子を置き去りにして逃げた。社員手帖には男のことが分かる何かが記されていたのではないか。定期入れが捨てられたのは、関係が分かるものが入っていなかったからだろう。祥子は真相をつきとめるべく、粟津温泉に向かった。姉たちが泊まるはずだった旅館では、「佐伯一夫、信子」という夫婦名義が使われていた。記帳した住所は祥子たちの家、電話番号は信子の携帯電話のものだった。そのとき祥子はふと気がつく。道に落ちていたはずの定期入れは、当日は豪雨だったのに汚れていない。そこで、定期を拾った「サイトウツネコ」に会いに行くが、「ツネコ」は勤め先を辞め、東京に行ってしまっていた。しかも、連絡先も帰る日もわからなかった。帰京した祥子は、編集部への異動を打診される。信子は祥子に編集者の素質があると見込んでいたのだ。新編集長になった知枝の勧めもあり、祥子は快諾した。さっそく、知枝とともに執筆者が集うとあるパーティに出席することになる。そのなかに、「佐伯一夫」がいるに違いない。でがけに、翻訳家の妹尾郁夫（火野正平）に出会う。この男も疑うべき一人だった。パーティ参加者のなかから怪しげな人物が浮かんできた。画家の鶴巻完造、生花家元の佐敷泊雲、建築家兼映画評論家の高木利彦、大学教授で精神科医の西脇満太郎（神田正輝）。しかし祥子には彼らが姉の愛人とはどうも思えないのだった。その翌日。出勤した祥子は、知枝が殺されたという電話を受ける…。【この項、文・練馬大根役者】」車輌・日本照明。美術協力・ガレリア・プロパ、AOKI CO.,LTD.、マスダ増、サンロイヤル、Eiffel。衣裳協力・ELLE、MELROSE、ケイハウス、CHRISTIAN AUJARD HOMME。ロケ協力・拓殖大学、宇部興産、三富村役場、京王帝都電鉄。協力・辻のや花乃庄、日本エアシステム。「【役名（演者）】、笠間祥子（水野真紀）、吉井栄二（鶴見辰吾）、笠原信子（余貴美子）、町田知枝（あめくみちこ）、常子（春木みさよ）、愛子（阿部朋子）、妹尾郁夫（火野正平）、西脇満太郎（神田正輝）。【この項、文・練馬大根役者】」【出典：ドラマ本体クレジット表示（データ協力：練馬大根役者）】